1830 思い出の首里城への坂道 沖縄のシンボルの焼失に衝撃

 那覇市の首里城が火災になり、中心的存在の正殿、南殿、北殿など計7棟(4800平米)が焼失した。「首里の城は私たちの心の支え」と沖縄の人々が語るほど、この城は沖縄の象徴でもある。私は昨年末から今年の正月を首里で過ごし、毎日、城の周辺を散歩していた。正月には伝統の儀式を見る機会があった。それだけに火災を伝えるテレビの映像を見て、受けた衝撃…
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1829 本を繰り返し読むこと ヘッセ『郷愁』とともに

 高橋健二訳・ヘルマン・ヘッセの『郷愁』(新潮文庫)は、まさしく名著である。アルプスの高山に囲まれ、美しい湖水風景が広がるスイス山間部の小さな村に生まれ、成長するペーター・カーメンチントという主人公の自己形成史ともいえる、透明感にあふれる作品を再読した。自然の抒情的描写と自己考察で進行する作品は、初めて読んだ昔とは異なる感慨を与えてくれ…
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1828 ただ過ぎに過ぐるもの 優勢なセイタカアワダチソウ

 散歩コースの遊歩道から調整池を見ると、池の周辺の野原は黄色い花で埋め尽くされている。言わずと知れた外来植物のセイタカアワダチソウである。例年、この花とススキは生存競争を繰り返しているのだが、今年は外来植物の方が圧倒的に優勢だ。この道を歩き続けてかなり長い。そして、2つの植物の生態の変化に飽きることはない。  手元の百科事典による…
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1827 郷愁と失意と 秋の名曲『旅愁』を聴きながら

 東日本に上陸し大きな被害を出した台風15号と19号。新聞、テレビの報道を見ていると、復旧は容易ではないことが分かる。原発事故の福島が今回の災害でも一番被害が大きかったことに心が痛むのだ。私は台風の夜、アメリカの曲に犬童球渓(1879~1943)が日本語詞をつけた『旅愁』の2番の詞を思いながら時間を送った。若き教師時代の犬童が、郷愁と失…
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1826 ラグビーは小説 サッカーはノンフィクションという比喩

「たとえていうなら、小説はラグビーで、ノンフィクションはサッカーということになろうか」新聞記者出身の故ノンフィクション作家、本田靖晴は『複眼で見よ』(河出文庫)というジャーナリズム・メディア論をテーマにした本の中で、小説とノンフィクションの違いについてこう表現した。日本で開催されているラグビーのワールドカップで日本チームはベスト8まで勝…
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1825 あの川もこの川も氾濫 想像力欠如の楽観主義

 千曲川や多摩川、阿武隈川、那珂川という著名な川から、耳慣れない川まで数えることができないほどの河川が氾濫した。台風19号による未曽有の大雨は関東甲信越、東北を中心に甚大な被害を及ぼした。被害の全容はまだ分からない。浸水被害を伝えるテレビの映像を見ながら、台風15号に続く自然の脅威に身をすくめる思いの時間を送っているのは私だけではないだ…
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1824 国籍と政治性排除のはずが ノーベル賞お祝い報道に?

 今年のノーベル化学賞に、スマートフォンや電気自動車に使われるリチウムイオン電池を開発した吉野彰さん(71)ら3人に贈られることが決まった。何よりのことである。吉野さんの受賞で日本のノーベル賞受賞は27人目になるという。しかし、アレフレッド・ノーベルは、この賞創設に関する遺言の中で「賞を与えるに当たっては、候補の国籍が考慮されてはならな…
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1823 生後半年で死んだ妹のこと 知人の続・疎開体験記

 ことし7月、知人の疎開体験記をこのブログに掲載した。知人にとって、自分史の一部である。今回、知人の許しを得て疎開後に起きた妹の死の記録を掲載する。(登場人物は一部仮名にしております)  仏教用語で「会者定離」(えしゃじょうり)という言葉がある。これは、会うものは必ず別れる運命にあり、人生は無常なものであることを指す。唐詩選にも「花發…
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1822 400勝達成の裏で 金田に贈る川上の言葉

 プロ野球で大選手(大打者)にして大監督といえば、川上哲治と野村克也の2人だろう。6日に86歳で亡くなった金田正一は、前人未到といわれる400勝を達成し日本では最高の投手といえる。ロッテを率い日本一も経験したが、監督の力量としては川上と野村には及ばない。金田は選手としての晩年巨人に移り、川上の指揮下に入った。その時、管理野球を実践してい…
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1821 多くは虚言なりか 闇深き原発マネーの還流 

 吉田兼好の『徒然草』第73段に「世に語り伝ふること、まことにあいなきにや、多くはみな虚言(そらごと)なり」という言葉ある。国文学者の武田友宏は角川ソフィヤ文庫の『徒然草』で、この段を「『うそ』の分析」と題し解説を加えている。関西電力高浜原発がある福井県高浜町の元助役から関電幹部らが3億2000万円の金品を受け取っていた問題で2日午後、…
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1820 繰り返すドーハの悲劇 過酷!深夜の世界陸上

「ドーハの悲劇」は、1993年10月28日、中東カタールの首都ドーハで開催されたサッカーW杯アジア地区最終予選最終節の試合で、イラク代表と戦っていた日本代表がロスタイムに同点ゴールを入れられ、W杯初出場を逃したことを指す言葉である。現在、同じドーハで開催中の世界陸上の競技をテレビで見ながら、この言葉が蘇ってしまった。スポーツ関係者は、と…
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