1904「医」と「恥」から想起すること 国手が欲しい国は

 山形県酒田市出身の詩人吉野弘(1926~2014))の詩『漢字遊び』の中に「医」「恥」という短い作品がある。コロナ禍の現代を端的に表すような詩を読んで、私は漢字の妙を感じ、同時に多くの政治家の顔を思い浮かべた。  吉野の「医」は以下の通り。     「医」の中に「矢」があります   病む者へ、まずは矢のように駆けつける心情…

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1903 「星月夜」に一人歩いた少年時代 想像の旅フランス・長野・茨城・富山へ

 ゴッホが、代表作といわれる『星月夜』(外国語表記=英語・The starry night、フランス語・ La nuit étoilée、オランダ語:・De sterrennacht=いずれも邦訳は星の夜)を描いたのは1889年6月、南フランスサン・レミ・ド地方プロヴァンスにある修道院の精神病棟だった。日本では星月夜は「月は出ておらず、…

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1902 手塚治虫が想像した21世紀 「モーツァルトは古くない」

「鉄腕アトム」の作者、手塚治虫(1928~1989)は、21世紀とはどんな世紀と考えていたのだろうか。「原子の子、アトム」というキャラクターを漫画に描いた天才だから、私のような凡人とは異なる世紀を夢見ていたに違いない。人類を苦しめる新型コロナウイルスの出現まで考えていたかどうか知る術はないが、手塚なら救世主を生み出したかもしれないと思っ…

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1901 富山平野は「野に遺賢あり」 中国古典の言葉から

「野(や)に遺賢(いけん)なし」。中国の古典「書経」(尚書)のうち「 大禹謨(だいうぼ)にある故事である。「民間に埋もれている賢人はいない。すぐれた人物が登用されて政治を行い、国家が安定しているさまをいう」(三省堂・大辞林)という意味だ。現代日本の政治にこの言葉が当てはまるかだろうか。私はそうとは思わない。日本だけでなく、海外諸国に目を…

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1900 「ブログ1900回!」記念号 コロナ感染者1000万人超 壮大なる無駄遣いアベノマスク

 ブログ「小径を行く」は今回で1900回です。初めてから14年。ここまで到達しました。この記念すべき回にコロナ感染対策の「アベノマスク」、感染者1000万人について書いてみました。これも歴史なのでしょうか。  政府が新型コロナ感染拡大防止を目的として全世帯に配布(1世帯当たり2枚、計1億3千万枚)をした「アベノマスク」といわれる布…

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1899 あの閃光が忘れえようか  広島を覆う暗雲

  あの閃光が忘れえようか   瞬時に街頭の三万は消え   圧しつぶされた暗闇の底で   五万の悲鳴は絶え    峠三吉の「八月六日」という詩は、こんな書き出しで、以下原爆投下後の広島の惨状を綴っています。あと1カ月余で、広島に原爆が投下されて75年になります。その広島は今、原爆とは異なる黒い雲に覆われているのです。前法務…

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1898 住みにくい世こそ芸術を 沖縄戦終結から75年の日に

 世界のコロナ禍は収まらず、1000万人感染(日本時間23日午前9時現在、感染者905万7555人、死者47万665人=米ジョンズ・ホプキンス大集計)という恐ろしい現実が近づいている。日本は梅雨、そして劣化という言葉を通り越したひどい政治状況の中で鬱陶しい日々が続いている。本当に「住みにくき世」になっている。そんな時、夏目漱石が『草枕』…

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1897 五輪がもたらす栄光と挫折 アベベの太く短い人生

 東京五輪がコロナ禍により2021年に延期された。さらに大会の簡素化、再延期、中止といった五輪をめぐる議論が続いている。五輪は出場する選手にも大きな影響を与える。ティム・ジューダ著、秋山勝訳『アベベ・ビキラ』(草思社文庫)を読んだ。ローマと東京の2大会連続してマラソンで金メダルを獲得したアベベ。五輪によって人生が変わり、短い生涯となって…

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1896 地図の旅、札幌へ そこはアカシアの季節

 地図を見ながら想像の旅を続けている。山形を出発した旅は九州へと移り、さらに沖縄を経てヨーロッパまで行った。今回はヨーロッパから帰国し、北海道へと歩を進める。想像の旅だから、強行軍でも疲れることはない。札幌の知人のフェースブックを見ていたら、「アカシアの季節」という文字が飛び込んできた。そうか、あの白い花が札幌の街を包んでいるのかと想像…

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1895 地図の旅海外へ 今年はベートーヴェン生誕250年

 コロナ禍により世界各国で様々な分野の芸術活動が休止せざるを得ない状況に追い込まれた。クラシックの演奏会もキャンセルとなった。6月になった。経済活動の再開とともに3カ月ぶりにウィーン(オーストリア)でウィーンフィルによる公演が再開され、ダニエル・バレンボイムの指揮でベートーヴェン(1770~1827)の交響曲第5番「運命」とモーツァルト…

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1894 涙の沖縄への地図の旅 ひめゆり部隊の逃避行

 私の地図を見ながらの想像の旅は、今回で4回目になります。前回の九州から海を隔て、沖縄へと旅は続いています。6月。それは沖縄の人々にとって、忘れることができない鎮魂の月といえます。太平洋戦争末期の1945(昭和20)年3月26日、座間味島など慶良間諸島に上陸した米軍は4月1日に沖縄本島に侵攻、6月23日に日本軍の組織的抵抗が終わったので…

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1893 東北から九州への想像の旅 潜伏キリシタンを描いた『守教』を読みながら

 私の地図を見ながらの想像の旅は続いている。今回は、東北から九州へと移る。潜伏キリシタンあるいは隠れキリシタンという言葉がある。江戸幕府が禁教令を布告し、キリスト教徒を弾圧した後も、ひそかに信仰を続けた信者のことで、2018年6月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に認定された。この言葉を聞くと、潜伏キリシタンとい…

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1892 青春の地は金峰の麓村 地図を見ながらの想像の旅(2)

  閑古啼くこゝは金峰の麓村 山形県鶴岡市生まれの作家、藤沢周平(1927~1997)の句(『藤沢周平句集』文春文庫)である。藤沢の死後、主に鶴岡で集められた色紙や短冊などに見られた7句のうちの1句で、藤沢は鶴岡師範学校を出た後、当時の湯田川村立湯田川中学校(現在は鶴岡市立鶴岡第四中学校へ統合)の教師(国語と社会)をしていたことがある。…

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1891 アルメイダの共助の精神 「大分の育児院と牛乳の記念碑」再掲

 帚木蓬生の『守教』(新潮文庫)は福岡県大刀洗町の国の重要文化財、今村天主堂が建つまでの長い背景(戦国時代から明治まで約300年間)を記した大河小説だ。この上巻に、九州で布教活動をした一人のポルトガル人が登場する。ルイス・デ・アルメイダである。私は2009年大分を訪れた際、県庁近くの公園で「育児院と牛乳の記念碑」というアルメイダを顕彰し…

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1890 空いっぱいに広がる山の輝き・さやけき鳥海へ 想像の旅(1)

 ここにして浪の上なるみちのくの鳥海山はさやけき山ぞ 山形出身の歌人、斎藤茂吉の歌集「白き山」(1949=昭和24年)に収められている山形、秋田県境にある鳥海山(標高2236メートル)を称えた歌である。名作『日本百名山』(新潮社)で、深田久弥は「名山と呼ばれるにはいろいろの見地があるが、山容秀麗という資格では、鳥海山は他に落ちない。眼路…

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1889 信頼性を失った新聞の衰退 インテグリティを尊重せよ

 新聞の契約更新にきた販売店の人に「コロナで折り込み広告も少なくなって大変でしょう」と聞いてみた。すると「うちはそんなにありませんが、コロナの感染拡大で新聞を取るのをやめる人がかなり出ています。折り込みの減少でやめた店(販売店)もありますよ」と、苦渋の表情で話してくれた。そんな矢先に東京高検検事長と産経、朝日の記者たちが賭けマージャン…

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1888 烈風に飛ばされる人命 コロナ禍は21世紀最大級のニュース?

 20世紀最大のニュースは「第2次世界大戦」だ。世界で軍人・民間人総計5000万~8000万人が死亡した(8500万人説もある。日本は約310万人)といわれる。20世紀は戦争の世紀だった。このほかにも第1次世界大戦をはじめ朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸・イラク戦争等々、様々な戦争があり、多くの命が失われた。そして、「スペイン風邪」(191…

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1887 蘇るか普通の日常 絵と詩に託す希望の光

  私の自宅前の遊歩道を散歩する人が少なくなったように感じる。昨25日、政府が新型コロナウイルスに関して北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県の緊急事態宣言を解除することを決め、長い間自宅勤務をしていた人たちが出勤したためだろうか。公園の人影もまばらになった。こんなとき体操仲間のNさんが体操広場の風景を描いた水彩画を見せてくれた。見…

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1886 8月9日を忘れた政府関係者 『長崎の鐘』に寄せて

 2021年8月9日を東京五輪閉会翌日として「祝日」にする法案を政府が考えたそうだ。この日は長崎に原爆が投下された日である。祝日にするのはそぐわないのは自明の理ではないか。さすがに自民党議員からも「ありえない」という異論が出て、閉会式の日の8日日曜日を祝日として、9日を振替休日にすることで調整を進めている――という記事を読んだ。この日の…

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1885 新聞離れ助長が心配 検事長と新聞記者の麻雀

 新聞はかつて第4の権力といわれるほど影響力が大きかった。現在でも以前ほどではないが、新聞の力は侮れない。だが、インターネットの普及もあって若い世代の新聞離れが顕著であり、新聞業界が斜陽産業の道を歩んでいることは、誰しもが認めることだろう。それに追い打ちをかけるような事態が起きた。東京高検の黒川弘務検事長がコロナ禍によって外出自粛が求め…

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