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zoom RSS 1723 職人気質が懐かしい どこへ行った厳格な品質管理

<<   作成日時 : 2018/11/09 18:28   >>

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 以前のことだが、途上国を歩いていて、私を日本人と思ったのか、現地の人からいきなり「ジャパン、ナンバーワン」と、声を掛けられたことがある。それは日本から輸出する製品についての称賛の言葉だった。かつて、とは書きたくないが、日本製品はほかの国の製品と比較して間違いなく優れていた時期があったのだと思う。だが、昨今はどうなのだろうか。日本製品は優秀という言葉は過去になりつつある事象が多すぎる。

 最近のニュースで大きく取り上げられたKYBの免振データ改ざん、スバルのデータ書き換えと、一流企業による不正が後を絶たない。記憶する限りでも、スズキの燃費詐称、神戸製鋼のデータ改ざん、タカタのエアバックリコール、日産自動車、三菱自動車の燃費データ偽装、東芝の利益水増しなど不適切会計、東洋ゴムの免震パネル・防振ゴムなど試験データ偽装等々、不正のオンパレードであり、これらの企業は、CSR(企業の社会的責任)など馬耳東風といった印象だ。バレなければいいと思う風潮が蔓延しているとしか思えない。

 企業が利潤を追求するのは当然なことだが、そのあまり、高い品質を求めることが二の次になっってしまったら、企業の存在価値はないといっていい。私の周囲でも最近、優秀なはずの企業製品で残念なことがあった。それは日本が世界に誇る製品ともいえるウォシュレットである。人を感知すると、自動的にふたが開く比較的高価な製品だが、設置して5年少しで故障してしまった。

 修理を依頼すると、やってきた業者は問題の製品を点検し、修理費用は4万5000円だと説明した。ふたの自動開閉、洗浄、温風の3つの機能の部品が壊れているというのである。「たぶん、湿気でやられたのでしょう」ということだった。さらに「多機能製品は故障しやすいのです」と付け加えた。

 わが家ではこのほかにも、加湿器が2年で壊れ、お掃除機能付きエアコンの掃除機能も使えなくなり、掃除機もスイッチ部分がダメになり、テレビも3年で基板交換とハードディスクの故障、10年は持つといわれるLEDの照明も4年で壊れるなど電気製品の不具合も続いたから、ウォシュレットの故障に、またかという思いをした。同じ工場で作っていても、製品によって当たり外れがあるとしたら、品質管理に問題があるとしか言いようがない。池井戸潤の『下町ロケット』に出てくるような、技術者の誇りは利益優先という企業の姿勢によってつぶされてしまったのだろうかと、危惧する。

「職人気質」という言葉は、優れた製品を作り出す日本の職人の象徴として使われた。辞書には「自分の腕に自信をもち、頑固だが納得できるまで入念な仕事をする実直な性質をいう」(大修館書店・明鏡国語辞典)と出ている。昨今の企業の情けない姿を見ていると、この言葉が懐かしくなるのだ。ところで壊れたウォシュレットだが、多機能製品をやめシンプル機能のものに交換した。「シンプル・イズ・ベスト」なのだ。

 追記。私の部屋のCDプレーヤーは、もう30年使っている。既にメーカーとしては姿を消したビクター製だ。現在もほぼ毎日、酷使に耐え、美しい音を聞かせてくれている。まさに名器である。こうした製品がかつては珍しくなかった。

 631 壊れたCDプレーヤー ものづくりへの哲学

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