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小径を行く

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小径を行く
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自宅周辺には大雨を調整するための人工池やけやき並木の遊歩道があり、四季折々自然を楽しんでいます。こうした自然を友にした散歩の途中、現代世相について諸々考えることがあります。2006年9月からスタートし、1500回を超えたこのブログは、そうした私の日常雑感をつづっています。










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タイトル 日 時
1583 ガダルカナル・インパールを生き抜く 元兵士の手記
1583 ガダルカナル・インパールを生き抜く 元兵士の手記  72回目の終戦の日である。太平洋戦争で310万といわれる日本人が死亡し、中国(1000万人)をはじめアジア各国で2000万人以上が犠牲になったといわれる。天皇陛下は戦没者追悼式で「ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べた。一方安倍首相は、不戦の決意を述べたものの、アジア諸国への加害責任と反省については口にしなかった。太平洋戦争... ...続きを見る

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2017/08/15 16:10
1582 戦争文学を読む 72年目の夏
1582 戦争文学を読む 72年目の夏  最近読んだ本は、「戦争文学」といえる3冊だ。特攻隊長の体験を基にした島尾敏男の短編集『島の果て』(集英社文庫)、戦争を知らない世代が書いた高橋弘希『指の骨』(新潮文庫)、フィリピン・ミンダナオ島で生まれ、ジャングルでの避難生活を体験した衣山武秀『どこまで行っても上り坂』(自費出版)である。前掲の2冊はフィクション、3冊目は個人史である。手法は違っていてもそれぞれに戦争の実相を描いていて、深く心に迫ってくる。 ...続きを見る

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2017/08/11 13:18
1581 豪華列車とワンマン特急 JR九州の目指すもの?
1581  豪華列車とワンマン特急 JR九州の目指すもの?  ワンマンの特急列車がJR九州で運行されていることをある新聞記事を読むまで知らなかった。その記事は宮崎県の地方紙、宮崎日日新聞8月6日付朝刊に「災害時の対応大丈夫か」と題して掲載された「日曜論説」だった。筆者は共同通信宮崎支局の上野敏彦支局長だ。JR九州といえば豪華列車で知られが、その裏でこんな合理化が進行していたのである。 ...続きを見る

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2017/08/09 09:39
1580 小説『黒い雨』を読みながら 試される政府の本気度
 1580 小説『黒い雨』を読みながら 試される政府の本気度 『黒い雨』(新潮文庫)は、阿鼻叫喚の広島の街の姿を井伏鱒二という冷静な作家によってに描かれた原爆小説だ。この時期、本棚から取り出して再読する人もいるだろう。私もその一人である。この小説は原爆小説とはいえ、正面から政治上の主張はしていない。それが逆に被爆者の悲惨な実情が読む者に伝わってくるのである。 ...続きを見る

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2017/08/08 09:31
1579 大暑を乗り切ろう 国民的文芸に親しむ
1579 大暑を乗り切ろう 国民的文芸に親しむ 「大暑」の季節である。熱気が体全体にまとわりつくほど蒸し暑い。一雨ほしいと思っていたら、滴が降ってきた。そんな一日、ある句会に参加した。「現代の俳人で歴史に残るのはこの人しかいない」と、句会の主宰者が評価する金子兜太は「俳句は、日本人にとって特徴的な国民文芸である」というのが持論だ。句会に出て、私もこの言葉の意味をかみしめた。 ...続きを見る

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2017/08/02 09:36
1578 「長い物には巻かれよ」 守った人と守らなかった人
1578 「長い物には巻かれよ」 守った人と守らなかった人 「長い物には巻かれよ」という言葉は「目上の人や勢力のある人には争うより従っている方が得である」(広辞苑)という意味だ。官僚の世界で、この言葉を守った人と守らなかった人の2つの例が日本と韓国で最近話題になった。どちらが多くの人に受け入れられるかは、言うまでもないだろう。 ...続きを見る

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2017/08/01 09:41
1577 沖ノ島はどんな島 藤原新也写真展を見る
1577 沖ノ島はどんな島 藤原新也写真展を見る  古来、日本人は神に対する根強い信仰があった。その象徴ともいえるのが福岡県の玄界灘に浮かぶ小さな島、沖ノ島だ。東京・日本橋の高島屋で開催中の藤原新也の写真展「沖ノ島 神宿る海の正倉院」を見た。一般人・女人禁制といわれる沖ノ島(福岡県宗像市)は今月9日ポーランドで開かれた世界遺産委員会で「『神宿る島』宗像・沖ノ島県連遺産群」として世界文化遺産への登録が決まった。その直後のタイムリーな写真展である。 ...続きを見る

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2017/07/23 09:26
1576 消えた新聞の青春群像 増田俊也『北海タイムス物語』
1576 消えた新聞の青春群像 増田俊也『北海タイムス物語』 「北海タイムス」という新聞があったことを北海道民の多くが記憶しているだろうか。1998(平成10)年9月に「休刊」宣言をして事実上の廃刊をしてからもう19年になる。この北海タイムスを舞台に、入社間もない整理部記者の苦闘を描いた増田俊也著『北海タイムス物語』(新潮社)を読んだ。経営が傾き、厳しい労働環境の中で整理部記者として自立を目指す主人公を通じて、新聞業界の裏の姿が克明に記されている。この本は、新聞人としてのスタートが北海タイムスだったという著者の「挽歌」のように私は思えた。 ...続きを見る

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2017/07/20 07:38
1575 日野原さん逝く 伝え続けた平和と命の大切さ
1575 日野原さん逝く 伝え続けた平和と命の大切さ  生涯現役を貫いた医師の日野原重明さんが18日亡くなった。105歳という日本人男性の平均寿命(80・75歳=2017年3月、厚労省発表。女性は86・99歳)を大きく超える長命の人だった。日野原さんが生まれたのは1911(明治44)年10月4日で、この年、中国では辛亥革命で清朝が倒れ、ノルウェーのアムンゼンが南極探検に成功している。日本では大逆事件で幸徳秋水ら24人の死刑が執行された年で、明治はそれから1年半余で終わる。日野原さんは明治から大正、昭和、平成と激動の1世紀以上を生き、平和の尊さを訴え... ...続きを見る

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2017/07/19 08:57
1574 宇良の涙 小さな大力士の道へ
1574 宇良の涙 小さな大力士の道へ  大相撲で小さい体の前頭4枚目、宇良が横綱日馬富士に勝った。テレビのインタビューで涙を流した宇良を見て、誰しも「よくやった」と思ったに違いない。つい数年前(大学2年生当時)60数キロしかなかった宇良が横綱に勝った事実は、人には不可能がないことを教えてくれる。 ...続きを見る

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2017/07/18 05:19
1573 「鷹乃学」のころ 猛暑を乗り越えて
1573 「鷹乃学」のころ 猛暑を乗り越えて  鉢植えのインドソケイが咲いた。別名、プルメニアともいう。中米、西インド諸島が原産といわれる亜熱帯・熱帯の花である。香りがよくハワイのレイにも使われるから、日本人にもなじみの花といえる。このところ猛暑が続いていて人間にはつらい日々だが、植物によっては、この花のように歓迎すべき高温なのだろう。 ...続きを見る

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2017/07/17 15:49
1572 夢一筋の天の川 ウグイスが飛来した朝
1572 夢一筋の天の川 ウグイスが飛来した朝  7月に入って暑い日が続いている。庭では近くの調整池の森から飛んできたウグイスが鳴いている。きょうは七夕だ。天の川をはさんで夜空に輝く七夕の由来になった星(こと座のベガとわし座のアルタイ)を見上げる人たちもいるだろう。俳句愛好者は、夏目漱石の「別るるや夢一筋の天の川」という美しい句を思い浮かべるかもしれない ...続きを見る

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2017/07/07 09:03
1571 きのふの誠けふの嘘 アジサイの季節に
1571 きのふの誠けふの嘘 アジサイの季節に  紫陽花やきのふの誠けふの嘘 正岡子規 アジサイの季節である。最近は種類も多いが、この花で思い浮かぶのは色が変化することだ。子規はそのことを意識して人の付き合い方についての比喩的な句をつくったのだろう。安倍首相の獣医学部をめぐる言動は子規の句通りである。 ...続きを見る

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2017/06/28 10:13
1570 植物の三徳 清澄のユリ園を訪ねて
1570 植物の三徳 清澄のユリ園を訪ねて  植物には三徳があると言ったのは、植物学者の牧野富太郎である。人間の生活に植物がいかに重要な役割を果たすかを示した言葉である。それは後述するが、牧野は「もしも私が日蓮ほどの偉物であったなら、きっと私は、草木を本尊とする宗教を樹立して見せることができると思っている」(牧野富太郎『植物知識』講談社学術文庫)とも述べている。梅雨の晴れ間に恵まれた一日、牧野の言葉に惹かれて、房総半島のユリ園を見に行った。    訪ねたのは、千葉県で2番目に高い鴨川市の清澄山(きよすみやま、377メートル)である。こ... ...続きを見る

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2017/06/20 15:07
1569 目に優しい花菖蒲 一茶を思う一日
1569 目に優しい花菖蒲 一茶を思う一日  むらさきも濃し白も濃し花菖蒲 京極杜藻  うつむくは一花もあらず花菖蒲 長谷川秋子 ...続きを見る

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2017/06/13 17:18
1568 視覚障害者の希望とは 映画「光」が示す先は
1568 視覚障害者の希望とは 映画「光」が示す先は  光を失うということは、どのような恐怖なのかは経験者にしか分からない。新潟の知人もその一人である。映画「光」を見て、知人の苦しみを考えた。どら焼きづくりに、ささやかな希望を見つけたハンセン病回復者を描いた「あん」に続く、河瀬直美監督の作品だ。視覚障害者用の映画の音声ガイドづくりが進む中で、視力を失っていく写真家の姿を追った映画のストーリーに知人が重なった。 ...続きを見る

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2017/06/03 22:25
1567 2つの大戦の過去とは決別できない 『ヨーロッパ炎上 新・100年予測』の結論
1567 2つの大戦の過去とは決別できない 『ヨーロッパ炎上 新・100年予測』の結論  ヨーロッパの国々の関係は複雑だ。ヨーロッパをまとめていたEUは、イギリスの離脱決定によって今後の雲行きが怪しいし、シリアなどから押し寄せる難民問題は解決が困難だ。ジョージ・フリードマンの『ヨーロッパ炎上 新・100年予測』(ハヤカワ文庫)は、そんなヨーロッパ情勢を分析し、今後を占う本である。著者はヨーロッパの今後をどう予測しているのだろう。 ...続きを見る

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2017/06/01 15:49
1566 新しい青色の発見 この色のバラは普及したのか
1566 新しい青色の発見 この色のバラは普及したのか  つい先日、米オレゴン州立大学で「YInMnブルー」という鮮やかな新しい青色を発見した、というニュースが流れた。テロが相次ぐ時代、平和の象徴ともいわれる青い色に、新しい色が加わったことは喜ばしいことだと思う。 ...続きを見る

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2017/05/23 21:20
1565 5月の風に 春から夏へのバトンタッチ
1565 5月の風に 春から夏へのバトンタッチ  今年の立夏は5日だった。ゴールデンウィークはほぼいい天気の日が続いた。それが終わると、天気はぐずついている。沖縄は間もなく梅雨に入るという。春から夏への移行の季節になった。旬の食べ物はタケノコである。故郷の竹林のことを思い出した。 ...続きを見る

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2017/05/10 22:19
1564 「戦争との決別は権利であり、義務である」 江崎誠致著『ルソンの谷間』再読
1564 「戦争との決別は権利であり、義務である」 江崎誠致著『ルソンの谷間』再読  江崎誠致著『ルソンの谷間』(光人社)を再読した。この小説は1957(昭和32)年3月、筑摩書房から出版され、この年の7月、第37回直木賞を受賞している。江崎の体験を基に、太平洋戦争末期、米軍のフィリピン奪回作戦でマニラから撤退する日本軍兵士の悲惨な実態を描いたものだ。内容は純文学の要素も強く、芥川賞を受賞してもおかしくない作品だ。 ...続きを見る

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2017/05/06 21:41
1563 ナチに捕えられた画家の大作 ミュシャの『スラヴ叙事詩』
1563 ナチに捕えられた画家の大作 ミュシャの『スラヴ叙事詩』  チェコ出身でよく知られているのは、音楽家のアントニン・ドヴォルザーク(1841〜1904)である。音楽評論家の吉田秀和は「ボヘミアの田舎の貧しい肉屋の息子は、両親からほかに何の財産も与えられなくても、音楽というものをいっぱい持って、世の中に生まれてきた」(新潮文庫『私の好きな曲』)と書いている。吉田が高く評価したドヴォルザークに比べれば、グラフィックデザイナーで画家のアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)の知名度はそれほどではない。だが、吉田風にいえば、ミュシャは美術という才能を持ってこ... ...続きを見る

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2017/05/02 09:48
1562 「生と死」にどう向き合う 草間彌生展にて
1562 「生と死」にどう向き合う 草間彌生展にて  彫刻家、画家である草間彌生は、自伝『無限の網』(新潮文庫)の中で、「芸術の創造的思念は、最終的には孤独の沈思の中から生まれ、鎮魂のしじまの中から五色の彩光にきらめきはばたくものである、と私は信じている。そして今、私の制作のイメージは、『死』が主なるテーマである」と書いている。国立新美術館で開催中の「草間彌生 わが永遠の魂」展は、まさに死をテーマにした、原色に彩られた独特の作品が並んでいる。 ...続きを見る

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2017/04/29 21:52
1561 ブリューゲル『バベルの塔』を見て 傲慢への戒めを思う
1561 ブリューゲル『バベルの塔』を見て 傲慢への戒めを思う  ピーテル・ブリューゲル(1526/1530年ごろ〜1569)は、2点の「バベルの塔」の作品を残している(もう1点描いたといわれるが、現存していない)。多くの画家がこのテーマで描いているものの、傑作の呼び声が高いのはブリューゲル作である。その1点を東京都美術館で見て、スペイン・バルセロナで建築中の巨大教会、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)を連想した。 ...続きを見る

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2017/04/28 11:40
1560 「怖い絵」について 人の心に由来する恐怖
1560 「怖い絵」について 人の心に由来する恐怖  西洋絵画には、見る者に戦慄を感じさせるものが少なくない。そうした絵画を中野京子はシリーズで取り上げた。その第1作はラ・トゥールの『いかさま師』からグリューネヴァルトの『イーゼンハイムの祭壇画』まで22の作品を恐怖という視点で紹介した『怖い絵』(角川文庫)である。恐怖は人の心に由来するものであり、登場する絵も1点を除き、人間(ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』のような人を殺す恐ろしい場面の絵も含まれる)中心に描かれている。 ...続きを見る

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2017/04/25 16:33
1559 こだまするホトトギスの初音 ウグイス・キジとの協演
1559 こだまするホトトギスの初音 ウグイス・キジとの協演  朝、いつもより早く6時前に調整池を回る遊歩道を歩いていたら、ホトトギス(時鳥)とウグイス、キジが次々に鳴いているのが聞こえた。まさに野鳥のさえずりの協演だ。3種類の鳥が同時に鳴くなら三重奏(トリオ)という表現もできる。しかし、鳥たちは律義に(私の勝手な感想)交代で鳴いている。さえずりのリレーを聴きながら歩くのも、この季節ならではのぜいたくだ。 ...続きを見る

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2017/04/21 13:07
1558 苦闘する学芸員たち 政治家の発言にひるむことなかれ
1558 苦闘する学芸員たち 政治家の発言にひるむことなかれ  これまで全国のさまざまな博物館や美術館を回り、学芸員から話を聞いた。彼ら、彼女らはいかにして、自分や同僚たちが企画した展覧会に多くの入場者を呼ぶか奮闘していた。そんな人たちに対し、山本幸三地方創生相が外国人観光客らへの文化財などの説明、案内が不十分として「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないとだめ」と発言し、問題視されると撤回した。学芸員の仕事を理解していない妄言としか言いようがない。 ...続きを見る

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2017/04/18 15:45
1557 『グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏』を読む
1557 『グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏』を読む  「こんにちは。私はジョン・ドウ(匿名太郎)。データに興味はあるか?」ドイツ・ミュンヘンの南ドイツ新聞の記者に、インターネットを通じて飛び込んできたこの一文が、タックスヘイブン(租税回避地)による世界各国の首脳や富裕層による資産隠し、課税逃れを暴いた「パナマ文書」報道につながった。このプロジェクトに参加した、澤康臣記者(共同通信社)著『グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏』(岩波新書)は、デジタル技術を駆使し、さらに足と頭を使って謎を解明していく記者たちの姿が活写されている。 ... ...続きを見る

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2017/04/14 16:22
1556 浅田真央の引退 記憶に残る美しい演技
1556 浅田真央の引退 記憶に残る美しい演技  フィギュアスケートの浅田真央が引退を表明した。26歳であり、10代の若い選手が台頭するフィギュアスケート界ではベテランの年齢に達し、ついに燃え尽きたといっていい。数えてみると、このブログで浅田をテーマに9回書いている。個人についてこれだけ書くということは、浅田がいかにスポーツ選手として優れ、魅力があったかということだと思う。 ...続きを見る

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2017/04/11 14:14
1555 無知は万死に値する 「呉下の阿蒙」を思う
1555 無知は万死に値する 「呉下の阿蒙」を思う  中国・三国志に呉の呂蒙という人物が登場する。彼は無学な武人だったが、主君の孫権から学問をするよう勧められ、勉学に励んだ。後年、旧友の魯粛という将軍がその進歩に驚き、「今はもう呉にいたころの蒙さん(阿はちゃんという意味)ではない」とほめたという。旺文社・国語辞典からの受け売りだが、この故事転じて、昔のままで進歩のない人物や学問のないつまらない者を「呉下の阿蒙」(ごかのあもう) というのだそうだ。 ...続きを見る

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2017/04/07 17:03
1554 詩人が憂えた不満足時代 大岡信逝く
1554 詩人が憂えた不満足時代 大岡信逝く  5日に亡くなった詩人の大岡信(まこと)は1980年代、パリに住んだことがある。当時、フランスでは大統領選があったが、それを見た大岡は「フランス人の大半は各人各様の正当な理由によって不満足だろう。もっと他にましな選択があるのではないかと思い、結局それが今のところまったく見つからないので、皆たいそう不満足である」という感想を記している。36年も前のことである。このころから世界が混沌とした状況に陥っていることに、詩人は気がついていたのだ。 ...続きを見る

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2017/04/06 14:19
1553 4月に思うこと 桜から感じる生命力
1553 4月に思うこと 桜から感じる生命力  4月になっても、千葉市のわが家周辺では桜はまだ一部咲きである。東京は2日が満開だったことが信じられないくらいだ。ことしも既に4分の1が過ぎたが、このところ新聞、テレビのニュースを見て考えることが多かった。 ...続きを見る

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2017/04/02 19:57
1552 手負い稀勢の里の優勝  底知れぬ人間の力
1552 手負い稀勢の里の優勝  底知れぬ人間の力  大相撲春場所で左肩周辺にけがをし、優勝は絶望とみられた横綱稀勢の里が大関照ノ富士との対戦で勝ち、2敗同士で並んだ優勝決定戦でも連破、2場所連続2回目の優勝を果たした。NHKの実況中継で解説の北の富士さんは勝つという予想はしなかった。専門家も相撲ファンも同じ気持ちだっただろう。それほど13日目に日馬富士に負け、土俵の外に転落したあとの痛がりようは尋常ではなかった。稀勢の里は手負いになった。それでも、人間には底知れぬ力があることを新横綱は示してくれたといえる。 ...続きを見る

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2017/03/26 20:55
1551 木々の葉のさまは人の世と同じ 『イーリアス』から
1551 木々の葉のさまは人の世と同じ 『イーリアス』から  まことに、木々の葉の世のさまこそ、人間の世の姿とかわらぬ、  木の葉を時に、風が来って地に散り敷くが、他方ではまた  森の木々は繁り栄えて葉を生じ、春の季節が循(めぐ)って来る。  それと同じく人の世系(よすじ)も、かつは生い出て、かつまた滅んでゆくもの。 (岩波文庫・ホメーロス『イーリアス』より) ...続きを見る

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2017/03/19 09:50
1550 巡ってきた6年目の春 共感呼ぶある愛の詩
1550 巡ってきた6年目の春 共感呼ぶある愛の詩  朝、散歩をしていたら、調整池の森からウグイスの鳴き声が聞こえてきた。自然界は確実に春へと歩みを続けている。だが、3月は心が弾まない。それは私だけではないだろう。言うまでもなく、6年前の東日本大震災がその原因である。 ...続きを見る

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2017/03/13 13:59
1549 春に文句を言う人は トルコの小話より 
1549 春に文句を言う人は トルコの小話より   冬の寒い一日、皆は、天気の悪いことをこぼしていた。一人が言った。 「満足することを知らんもんもおる。そんな輩は、いつも不平ばかり言うんじゃ。冬になれば、ああなんて寒いんだと言う。夏になれば、なんて暑いんだとくる」 「そのとおりじゃ」とホンジャが答えた。「しかし、春にまで文句を言う奴はおらんて」 ...続きを見る

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2017/03/06 09:52
1548 ある障害者の体験 電車内は文化レベルの尺度
1548 ある障害者の体験 電車内は文化レベルの尺度  障害者支援のNPOを運営している知人が視覚障害者になった。視野狭窄の病気が進行したためで、医師からは外出する際、白い杖を持つように勧められ、知人は白い杖を持って外出、電車に乗るようになった。そこで知人が体験したことは、現代社会のよそよそしさだった。 ...続きを見る

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2017/02/23 15:37
1547 優れた人との出会いが花の時代 『わたしの渡世日記』から
1547  優れた人との出会いが花の時代 『わたしの渡世日記』から 「人は老いて、ふと我が来し方を振り返ってみたとき、かならず闇夜に灯を見たような、心あたたまる経験を、自分も幾つか持っていることに気づくだろう。それがその人の『花の時代』である。(中略)私の場合でいうならば、優れた人間に出会った時期をこそ、私の花の時代と呼びたい」 ...続きを見る

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2017/02/21 11:51
1546 再読『一九八四年』 全体主義の芽がそこに…
1546  再読『一九八四年』 全体主義の芽がそこに…  北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシア・クアラルンプール空港で暗殺された事件が国際的波紋を呼んでいる。北朝鮮による多国籍の人間を使った請負殺人との見方も出ている。国際空港を舞台にした事件は、全体主義国家の恐怖を描いた英国の作家、ジョージ・オーウェルの小説『一九八四年』の世界が再現されたようで、暗い気持ちになる。 ...続きを見る

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2017/02/18 17:42
1545 市民が支える小さな山荘 愛の鐘響く新庄・杢蔵山
1545 市民が支える小さな山荘 愛の鐘響く新庄・杢蔵山  作家の深田久弥(1903〜1971)は、長い年月をかけて日本の名峰、百座を登頂した。その実体験を基に名作『日本百名山』を書いた。その後記(新潮文庫)で「日本人ほど山を崇び山に親しんだ国民は、世界に類がない。国を肇めた昔から山に縁があり、どの芸術分野にも山を取扱わなかったものはない。近年殊のほか登山が盛んになって、登山ブームなどといわれるが、それはただ一時におこった流行ではない。日本人の心の底にはいつも山があったのである」と書き、日本人が山と縁が深い国民であることを強調している。 ...続きを見る

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2017/02/08 07:14
1544 異質さを認め尊重する手がかり トランプ時代の『アンネの日記』の読み方
1544 異質さを認め尊重する手がかり トランプ時代の『アンネの日記』の読み方 「人間相互の“異質さ”を認めあい、尊重しあうための手掛かりとして読んでいただければと思う」。翻訳者、深町眞理子は、『アンネの日記 増補新訂版』(文春文庫)のあとがきで、こんなことを書いている。イスラム圏7か国出身者の入国禁止令を出して物議をかもしているトランプ米大統領の姿を見ていて、この本を読み返した。 ...続きを見る

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2017/02/05 15:53
1543 豊穣な音楽の世界 恩田陸著『蜜蜂と遠雷』を読む
1543 豊穣な音楽の世界 恩田陸著『蜜蜂と遠雷』を読む  ピアノコンクールをテーマにした作品として思い浮かべるのは『チャイコフスキーコンクール ピアニストが聴く現代』(中央公論社)である。ピアニストの中村紘子(21016年7月26日に死去)がこのコンクールの審査員を務めた体験から、コンクールの舞台裏を紹介した作品で、1989(平成元)年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。それから長い歳月を経て、今度は恩田陸が同じようにピアノコンクールをテーマに、音楽の世界を描くフィクションに挑んだ。 ...続きを見る

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2017/01/26 15:39
1542 名横綱への道 稀勢の里の魅力
1542 名横綱への道 稀勢の里の魅力  大相撲初場所で大関稀勢の里が初優勝(14勝1敗)し、横綱昇進が決定的になった。優勝インタビューで稀勢の里は「自分の相撲を信じて、一生懸命どんどん稽古して、また強くなって皆さんにいい姿を見せられるように頑張りたいです」と語った。これまで以上に強くなりたいという言葉やよしである。 ...続きを見る

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2017/01/23 14:37
1541 列島に限りなく降る雪 天から送られた手紙
1541  列島に限りなく降る雪 天から送られた手紙 「汽車の八方に通じて居る國としては、日本のやうに雪の多く降る國も珍しい」 民俗学者、柳田國男は『雪國の春』の中で、こんなことを書いている。 ...続きを見る

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2017/01/15 21:48
1540 天に軌道があるごとく 歴史に残る人たちの街を歩く
1540 天に軌道があるごとく 歴史に残る人たちの街を歩く 「天に軌道があるごとく、人はそれぞれ運命というものを持っております。とかく気合いだけの政治家は威勢のいいことを言うが、中身はない。トランプのババじゃあないんだから、自分の主張が全部通ると思っていたら、あなた、すぐに化けの皮がはがれますよ。な、そうだろう」 ...続きを見る

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2017/01/08 15:16
1539 寒風が吹いても 強き言葉で
1539  寒風が吹いても 強き言葉で  3が日休んでいた近所の公園のラジオ体操が再開になった。この季節の6時半はまだ完全に夜が明け切らず、薄暗い。周囲の街路灯が点いたままだ。ラジオに合わせて体を動かし始める。冷えが少しずつ消えて行く。手足を伸ばしながら世の中はどう変わっていくのだろうかと、考えた。 ...続きを見る

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2017/01/04 09:47
1538 日米和解から取り残された沖縄 首里城に思う
1538 日米和解から取り残された沖縄 首里城に思う  安倍首相が真珠湾を訪問した。ことし6月にはオバマ大統領が広島を訪れ、平和公園で犠牲者に花束を捧げた。これによって両国の和解の価値を世界に発信するのだという。だが、何かがおかしい。米軍基地に苦しむ沖縄が置き去りにされたままではないか。 ...続きを見る

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2016/12/27 18:23
1537 乾杯!恐るべし 日本酒危機の応援条例
1537 乾杯!恐るべし 日本酒危機の応援条例  酒造メーカー、月桂冠のホームページによると「乾杯」という習慣が一般化したのは、わが国が西洋文明を取り入れ始めた明治・大正期からだという。ビールをはじめとする洋酒も飲まれるようになり、次第に普及したが、明治末期のころの掛け声は「乾杯」ではなく「万歳」だったそうだ。いまでは乾杯といえばビールが定番だが、日本酒を習慣にしようという「条例」が京都市など地方自治体で制定されたという。 ...続きを見る

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2016/12/23 20:54
1536 考えながら送る黄金時間 冬霧の朝に
1536 考えながら送る黄金時間 冬霧の朝に  朝の散歩道にある調整池から霧が出ていた。冬の霧である。俳句では、霧は秋の季語になる。だからこの季節には「塔一つ灯りて遠し冬の霧 蘭草慶子」の句のように、「冬の霧」を使う。次第に明るさが増す霧の道を歩きながら、この1年を振り返った。その年の世相を漢字一文字で表す恒例の「今年の漢字」は「金」だったが、私の場合「考」が当てはまる。 ...続きを見る

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2016/12/19 12:13
1535 真珠湾攻撃幻の第一報  配信されなかったAPの速報
1535 真珠湾攻撃幻の第一報  配信されなかったAPの速報  旧日本海軍が真珠湾の奇襲攻撃に踏み切ったのは1941(昭和16)年12月8日未明(日本時間)で、時差が19時間あるから現地時間は7日(日曜日)朝のことだった。米国ホノルル海軍基地から米海軍省に届いた電報は「Air Raid Pearl Harbor This Is No Drill !!!(真珠湾空襲、演習にあらず)」という内容だった。米国の代表的通信社APの現地記者も当然、速報を流したはずだ。だが、その速報は流されることはなく、幻の第一報になったことがAPの記録に載っている。 ...続きを見る

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2016/12/13 17:27
1534 「些細なことでも予断は許さない」 最近のニュースに思うリルケの言葉
1534 「些細なことでも予断は許さない」 最近のニュースに思うリルケの言葉 「この世のことはどんな些細なことでも予断を許さない。人生のどんな小さなことも、予想できない多くの部分から組み合わされている」。オーストリアの詩人、ライナー・マリア・リルケ(1875〜1926)は唯一の長編小説『マルテの手記』の中で、こんなことを書いている。含蓄ある言葉である。昨今の世界の動きを見ていると、リルケの考え方の確かさを感じ、身震いする思いなのだ。 ...続きを見る

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2016/12/10 21:07

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