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小径を行く

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小径を行く
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自宅周辺には大雨を調整するための人工池と雑木林、けやき並木の遊歩道があり、四季折々自然を楽しんでいます。こうした自然を友にした散歩の途中、現代世相について諸々考えることがあります。2006年9月からスタートし、1600回を超えたこのブログは、そうした私の日常雑感をつづっています.










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タイトル 日 時
1663 高官を危うくする4つの弊害 「迎合」は汚職より悪質
1663 高官を危うくする4つの弊害 「迎合」は汚職より悪質  フランシス・ベーコンの『随想集』(岩波文庫・渡辺義雄訳)の頁をめくっていたら、「高い地位について」という随想が目についた。ベーコンは高い地位に就いた者が注意すべき事柄を挙げ、特に「権威の弊害」として具体的に4つの項目を示している。中でも私がこれは!と思ったのが「迎合」だった。 ...続きを見る

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2018/05/25 18:48
1662 笑いに飢えた時には 寿限無を思い出す長い駅名
1662 笑いに飢えた時には 寿限無を思い出す長い駅名 「人生には笑ってよいことが誠に多い。しかも今人(こんじん)はまさに笑いに飢えている」民俗学者として知られる柳田国男が『不幸なる芸術・笑いの本願』(岩波文庫)という本の中で、こんなことを書いている。柳田の言うように、人生では笑っていいことがたくさんあるはずだ。だが、昨今の日本人から笑いが少なくなっている気がするのだ。 ...続きを見る

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2018/05/24 19:01
1661 坂の街首里にて(10)完 沖縄の心・芭蕉布
1661 坂の街首里にて(10)完 沖縄の心・芭蕉布   沖縄を歌った曲で「芭蕉布」(吉川安一作詞、普久原恒男作曲)は、詩の美しさ、曲のさわやかさで知られている。私も好きな歌の一つである。自宅に帰った後、首里の坂道、階段、石畳を思い出しながら、この曲をあらためて聞いた。夜、BS放送にチャンネルを合わすと、偶然だろうが、芭蕉布の織り方の特集をやっていた。 ...続きを見る

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2018/05/19 09:24
1660 旅行記を読む楽しみ 知人の四川高地行
 1660 旅行記を読む楽しみ 知人の四川高地行  旅行記といえば、どんな本を思い浮かべるだろう。イザベラ・バード『日本紀行』(あるいは『日本奥地紀行』)、沢木耕太郎『深夜特急』、司馬遼太郎『街道を行く』、ジュール・ヴェルヌ『80日間世界一周』(小説)あたりか。最近、中国・四川省を旅した知人から、旅行記が送られてきた。知人らしく中国の現状分析もあって、格調ある記録だ。コーヒーを飲みながら旅行記を読み、知人の歩いた中国を想像した。 ...続きを見る

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2018/05/17 07:59
1659 坂の街首里にて(9) 土地の香がする琉球泡盛
1659 坂の街首里にて(9)  土地の香がする琉球泡盛  沖縄の酒といえば琉球泡盛といっていい。ふだんこの酒とは縁がない。だが、首里に滞在している間、琉球泡盛を飲んだ。焼酎と共通する個性を感じ、これまでほとんど口にしなかったこの酒に親しんだ。振り返ると、郷に入っては郷に従えということを、酒で実践した日々だった。 ...続きを見る

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2018/05/16 08:25
1658 坂の街首里にて(8) タイル画の道
1658 坂の街首里にて(8) タイル画の道  首里は石段と坂の街であり、石畳の通りもある。滞在した住宅も丘の途中にあって、坂を上り下りして日常生活を営んでいる。首里の街を下って行き、那覇のメーンストリートともいえる国際通りにたどり着く。ここまで来ると、平たんな道が続いている。ここから少し歩いたところに、タイル画の通りがあった。色とりどりのタイル画を埋め込んである焼き物の街だった。 ...続きを見る

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2018/05/15 08:55
1657 坂の街首里にて(7)天空の城
1657 坂の街首里にて(7)天空の城 「天空の城」といえば、国内では兵庫県の竹田城(朝来市)、海外ではペルーのマチュピチュが有名だ。あまり知られていないが、沖縄の世界遺産の中で最古といわれる、うるま市の「勝連城(かつれんぐすく)跡」も、天空の城のイメージがあり、私は大好きだ。今度の沖縄滞在でも無理に家族を誘い、この城跡に登った。世界遺産とはいえ、沖縄のツアーコースに含まれることはあまりないようで、私たち以外に人影は少なかった。 ...続きを見る

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2018/05/15 08:32
1656 坂の街首里にて(6) 画家たちが住んだニシムイ
1656 坂の街首里にて(6) 画家たちが住んだニシムイ  那覇市首里の一角に、かつて画家たちが住み、駐留米軍の関係者と交流した「ニシムイ」と呼ぶ地区があったことを、今回初めて知った。2009年には沖縄県立博物館・美術館で、この画家たちの美術展も開催されたという。ニシムイの画家たちの存在を知ったのは、偶然立ち寄った書店で手にした1冊の本からだった。 ...続きを見る

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2018/05/09 17:07
1655 坂の街首里にて(5)伝統のハーリーを見る
1655 坂の街首里にて(5)伝統のハーリーを見る  滞在している首里から泊の港が見える。大型観光船が入っているのも目視できる。以前、この港から阿嘉島行きの高速船に乗ったことがある。ここは離島への船が出る港だ。同時に毎年、連休中には伝統の「ハーリー」があり、多くの見物客を集める。子どもの日、私も混雑するハーリー会場に行った。この行事に参加した家族の一人を応援するためだった。 ...続きを見る

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2018/05/08 16:33
1654 坂の街首里にて(4)「全身詩人」吉増剛造展を見る
1654 坂の街首里にて(4)「全身詩人」吉増剛造展を見る  吉増剛造は「全身詩人」と呼ばれている。変わった呼び方だが、沖縄県立博物館・美術館で開催中の「涯(ハ)テノ詩聲(ウタゴエ) 詩人吉増剛造展」を見て、合点がいった。言葉としての詩だけでなく、写真や映像、造形まで活動範囲は広く、沖縄にも接点があるという。 ...続きを見る

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2018/05/07 20:02
1653 坂の街首里にて(3) 沖縄の人情
 1653 坂の街首里にて(3) 沖縄の人情  首里から少し遠出して、島全体が聖地といわれる久高島(くだかじま)を歩いたあと、同じ南城市の小さなぜんざい店に立ち寄った。そこには4人の先客がいた。最高齢の人は83歳だというが、褐色の肌をした年齢を感じさせない男性だった。親分肌のこの人は去り際さりげなく格好のいい姿を見せ、私たちを驚かせた。 ...続きを見る

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2018/05/06 22:39
1652 坂の街首里にて(2) 自然の力・アカギの大木を見る
1652 坂の街首里にて(2) 自然の力・アカギの大木を見る  前回のブログに書いた通り、首里地区は太平洋戦争の沖縄戦で米軍の激しい攻撃に遭い、がれきと化した。首里城周辺にあったアカギという樹木も例外でなかった。しかし、現在、内金城嶽(うちかなぐすくうたき)境内には6本の大木が残っている。戦火を免れた大木の存在に、人は強い生命力を感じるはずだ。 ...続きを見る

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2018/05/03 08:09
1651 坂の街首里にて(1) 歴史遺産とともに
1651 坂の街首里にて(1) 歴史遺産とともに 「首里は城下町なので、道が入り組んでいるんです」険しい坂道を歩いていたら、地元の人に声を掛けられた。ここ数日、沖縄・那覇市の高台にある首里城近くにいる。本当に坂の多い街である。近所の崎山公園に行くと、那覇の街が一望でき、白いビル群が目に飛び込んでくる。 ...続きを見る

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2018/05/02 15:24
1650 人を動かす言葉 鉄人衣笠さんと政治家
1650 人を動かす言葉 鉄人衣笠さんと政治家  2215試合というプロ野球の連続試合出場記録を持ち、国民栄誉賞を受賞した元広島カープの衣笠祥雄さんが亡くなった。71歳だった。「鉄人」といわれた衣笠さんは17シーズン、全試合に出続けた。長い年月だ。その間、欠場の危機を乗り越えたのは優れた体力だけでなく、強い気力があったからなのだろう。そんな衣笠さんが病魔に勝てなかったのは残念でならない。 ...続きを見る

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2018/04/25 20:32
1649 病床で見たゴッホの原色の風景 友人の骨髄移植体験記
1649 病床で見たゴッホの原色の風景 友人の骨髄移植体験記  若い友人が「急性リンパ性白血病」を克服した体験記を書きました。この文章の中にはいくつかの「物語」が凝縮されています。私は心を打たれ、泣きました。かつてこのブログで、小児がんのため幼くしてこの世を去った石川福美ちゃんのことを取り上げたことがあります。元気だったなら18歳になっていたはずの福美ちゃんのことを思い出しながら、闘病記を読みました。福美ちゃんも、天国から筆者の若い友人のことを見守ってくれているに違いないでしょう。病気と苦闘し克服した体験記からは、生きる喜びが伝わってきます。多くの人に読ん... ...続きを見る

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2018/04/23 21:10
1648 ものの見方について ロマンティック街道の城は空中の楼閣か
1648 ものの見方について ロマンティック街道の城は空中の楼閣か  ドイツ・ロマンティック街道の終点にノイシュバンシュタイン城がある。19世紀にルートヴィヒ2世によって建てられた比較的新しい城である。現在では人気スポットとして、訪れた日本人も多い。だが、この城について、皮肉な見方をした美術専門家も存在した。ものの見方は、なかなか難しい。 ...続きを見る

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2018/04/22 16:22
1647 公園に復活したキンラン 植物は天然の賜
 1647 公園に復活したキンラン 植物は天然の賜  近所の公園でキンランの花が咲いているのを見た。かつてはそう珍しくない山野草だったという。90年代ごろから減少し、地域によっては絶滅危惧種にも指定されているが、最近は少しずつ復活しているようだ。 ...続きを見る

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2018/04/21 16:00
1646 木たちの対話 新緑を競いながら
1646 木たちの対話 新緑を競いながら  小さな庭の中心にキンモクセイの木がある。この家に住んでことしで30年。この木も同じ時代を歩んだ。庭の外には遊歩道があり、多くの人が散歩を楽しんでいる。そこには大木になったけやき並木がある。新緑の季節。キンモクセイとけやきの若葉は、競うように太陽の光を浴びている。2つの木に心があるなら現代の世相をどう見るのだろう。今回はキンモクセイとけやきの架空対談をお届けする。(キンモクセイは「き」、けやきは「け」と表記) ...続きを見る

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2018/04/17 13:19
1645 走ることの意味 わずか150メートルでも
1645 走ることの意味 わずか150メートルでも  遊歩道を歩いていると、走っている人が目につく。もちろん、私のように散歩をしている人の方が多いのだが、足取りも軽く走っている人を見ると、つい私も走りたくなる。だが、そうは行かない。右足の故障が完全には回復していないから、無理はできない。それでもやってみた。結果はどうだっただろう。 ...続きを見る

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2018/04/14 19:09
1644 音楽の文章化に挑む 須賀しのぶ『革命前夜』
1644 音楽の文章化に挑む 須賀しのぶ『革命前夜』  若い友人が大学の卒業研究として、音楽をテーマにした小説に取り組んだ。当初、担当の教官は「それは音楽に対する冒とくだ」という趣旨のことを話し、友人の構想に疑問を呈したという。しかし、熱心に取り組む姿勢に打たれたのか、途中からそうした言葉は消え作品は完成した。教官の意図は「音楽を文章にするのは非常に難しく、壁が高いから考え直した方がいい」ということだったのかもしれない。だが、その壁に挑む作品が最近目につく。須賀しのぶ『革命前夜』(文春文庫)もその一冊だ。 ...続きを見る

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2018/04/13 19:07
1643 言葉を武器にした政治家 映画『ウィンストン・チャーチル』を見る
1643 言葉を武器にした政治家 映画『ウィンストン・チャーチル』を見る 「戦争には決断。敗北には闘魂。勝利には寛仁。平和には善意」(『第二次大戦回顧録』より)第二次大戦下、イギリスの首相としてナチスドイツ、日本と戦い、連合国を勝利に導いたチャーチルは、この長文の回顧録によって1953年、ノーベル文学賞を受賞した。この人を描いたイギリスの映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(ジョー・ライト監督)を見た。政治家は言葉が武器といわれるが、まさにチャーチルはそれを体現した政治家だった。 ...続きを見る

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2018/04/12 16:50
1642 「玄鳥至る」(つばめきたる)ころに 子ども時代の苦い思い出 
1642 「玄鳥至る」(つばめきたる)ころに 子ども時代の苦い思い出   南からの強風が吹き荒れたと思ったら、急に木々の葉の緑が濃くなってきた。二十四節気でいう「清明」のころであり、七十二候の初候「玄鳥至る」(つばめきたる)に当たる。散歩コースの調整池周辺にも間もなくツバメが姿を現すだろう。ツバメといえば、冬の間東南アジアあたりで過ごし、数千キロの旅をして日本にやってくる春を告げる使者的な野鳥だ。私は子どものころツバメが大好きだったにもかかわらず、あるいたずらをしてしまった。いまでもツバメを見ると、その苦い思い出が蘇る。 ...続きを見る

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2018/04/07 14:01
1641 読んだふりの本『一九八四年』と映画『ペンタゴン・ペーパーズ』
1641 読んだふりの本『一九八四年』と映画『ペンタゴン・ペーパーズ』  読んでもいないのに見栄を張って読んだふりをしてしまうという本があるという。イギリスではその「読んだふり本」のトップがジョージ・オーウェルの『一九八四年』だと、日本版(ハヤカワ文庫)を翻訳した高橋和久さんが書いている。内容が暗く、難解なだけに買ってはみたものの「積んでおく本」になっていたが、ベストセラーなので読んだかと聞かれたら、読んだと答える人が多かったのだろう。大長編のマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』も、同じかもしれない。 ...続きを見る

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2018/04/04 13:28
1640 ヤマザクラに登った少年時代 被災地も桜の季節
1640 ヤマザクラに登った少年時代 被災地も桜の季節  満開の花のことばは風が言ふ 俳誌「沖」の編集長だった林翔の句である。この句からは、満開になった桜の花が風に吹かれてざわめいている光景を思い浮かべることができる。4月になった。部屋のカレンダーをめくったら奈良・吉野山の風景が広がっている。吉野の桜も風に吹かれ、ざわめいているようだ。 ...続きを見る

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2018/04/01 10:38
1639 飛行機大丈夫かな 沖縄に移り住むノンのつぶやき
1639 飛行機大丈夫かな 沖縄に移り住むノンのつぶやき 私は家族みんなから「ノンちゃん」「ノンノン」などと呼ばれています。正式には「ノア」という名前のミニチュアダックスフンドの雌で11歳になります。私は7日後に飛行機に乗って千葉から沖縄へ移り住む予定です。飛行機は初めてなので少し心配ですが、沖縄という南の新しい島での生活を楽しみにしています。    私の飼い主のパパが転勤で去年の夏、東京から沖縄の那覇市に行きました。単身赴任していたパパのところへ4月にママと私の妹のような存在の7歳のるーちゃんと一緒に那覇に行くことになったのです。いま私は千葉市の... ...続きを見る

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2018/03/26 14:09
1638 幻の仏師の名作を見る 柔和な平等院の阿弥陀如来像
1638 幻の仏師の名作を見る 柔和な平等院の阿弥陀如来像  仏像を制作する人のことを仏師と呼ぶ。仏師といえば快慶、運慶はよく知られている。では、定朝(じょうちょう)はどうだろう。定朝作の仏像を見る機会はほとんどないから、快慶、運慶に比べると知名度は低いかもしれない。。唯一、京都宇治の世界遺産、平等院鳳凰堂(阿弥陀堂)の国宝、阿弥陀如来坐像が現存する作品なのだという。伏見稲荷から平等院に足を伸ばした私は、定朝の指揮で木造の巨大仏像づくりに精を出す仏師たちの姿を想像しながら、柔和な顔の阿弥陀如来像を見上げた。 ...続きを見る

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2018/03/23 06:06
1637 敵意を持った人間の息は トルストイの民話から
1637 敵意を持った人間の息は トルストイの民話から   ロシアの文豪、レフ・トルストイ(1829〜1910)は、童話とはやや異なる民話を幾つか残している。その中の1つに『人は何で生きるか』がある。神様の命令に背いて地上に落とされてしまった天使、ミハイルが、靴屋のセミョーンと女房のマトリョーナら、出会った人間によって3つのことを学ぶという物語だ。この小品に関し、人間の敵意についてのトルストイの描写がいまも心に残っている。 ...続きを見る

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2018/03/22 15:37
1636 人気スポットは早朝に 京都・伏見稲荷を歩く
1636 人気スポットは早朝に 京都・伏見稲荷を歩く 「外国人に人気のスポット2017 日本国内4年連続第1位」白い字でこんなことが書かれた赤い旗が立っている。だが、周辺にまだ人影はない。……京都に行く機会があり、早朝、京都の伏見稲荷を歩いた。この旗には小さな字で「伏見稲荷大社は外国人旅行者の皆様に高い評価をいただきました」とあったが、この時間帯、さすがに外国人は見かけなかった。しかし、なぜここが外国人にそんなに人気があるのだろう。 ...続きを見る

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2018/03/20 14:57
1635 霧の朝に初音聞く 幻想の世界を歩く
1635 霧の朝に初音聞く 幻想の世界を歩く  急に暖かくなったと思ったら、けさウグイスの初音を聞いたた。朝6時過ぎ、調整池を周回する遊歩道を歩いた。調整池周辺は濃い霧に包まれていた。その霧を突き破るように、うぐいすの鳴き声が耳に飛び込んできた。日記を見ると、早い年だと2月20日ごろ、遅い年では5月3日に聞いたと書いてある。ことしの初音の時期は、例年通りなのだろう。 ...続きを見る

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2018/03/14 14:29
1634 過ちの処理を見れば分かる人間性 生き方の選択
1634 過ちの処理を見れば分かる人間性 生き方の選択  孔子の言葉と弟子たちとの問答を集めたといわれる「論語」には、よく知られている言葉が少なくない。「過ちを改めるに憚ることなかれ」(過失を犯したことに気づいたら、すぐに改めなければならない・学而第一 8の末尾)もその一つだ。過ちに関してはもう一つがあり、森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざんという衝撃的事件で政府・財務省の動きを見るうえで、考えさせる言葉といえる。 ...続きを見る

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2018/03/13 12:27
1633 変わりゆく気仙沼大島 「空に海に胎動のとき」に
1633 変わりゆく気仙沼大島 「空に海に胎動のとき」に 「空に海に胎動のときがめぐりきたらむ 春一番の潮けむり」 ...続きを見る

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2018/03/10 16:45
1632 常識について思うこと 政治に必要なのはモラルと思想
1632 常識について思うこと 政治に必要なのはモラルと思想  改定された第7版の広辞苑(岩波書店)で「常識」という言葉を引くと、「普通、一般人が持ち、また、持っているべき知識。専門的知識でない、一般的知識とともに、理解力・判断力・思慮分別などをふくむ」という解説に加え「森鴎外、自彊不息「――は普通の事理を解し適宜の処置をなす能力なり」という言葉も出ている。なぜ辞書を引く気になったのかといえば、最近、常識外のことがあまりにも目立つからだ。 ...続きを見る

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2018/03/06 15:20
1631春を告げるフキノトウ 心弾む萌黄色 
1631春を告げるフキノトウ 心弾む萌黄色   近所に小さな森がある。その森に最近フキノトウ(蕗の薹)が大きくなっているのが、散歩コースの遊歩道からも見える。そこまで行くにはかなり斜面を下る必要があってかなり危険なため、誰も取りに行かない。そして、日に日に薹が立ち一面が白くなっていく。春の到来だ。 ...続きを見る

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2018/03/05 11:31
1630 続・けがとの闘い 五輪選手のスポーツ人生
1630 続・けがとの闘い 五輪選手のスポーツ人生 「今度のオリンピックに人生をかけた」。平昌冬季五輪男子フィギュアスケート金メダルの羽生結弦のこの言葉を聞いて、スポーツ選手のオリンピックに対する意気込みの強さを感じたのは、私だけではないだろう。羽生は、けがの回復が順調ではなく、痛み止めの薬を飲みながら試合に臨んだのだという。昨年9月に右足のけがをし、まだ完全回復には程遠い状況にある私は、羽生をはじめとしてけがとの闘いを克服した選手たちに畏敬の念を抱いた。 ...続きを見る

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2018/02/27 18:16
1629 俳句は健康の源 金子兜太さん逝く
1629 俳句は健康の源 金子兜太さん逝く 「俳句は健康の源になる」と言ったのは、20日に98歳で亡くなった俳人、金子兜太さんだ。太平洋戦争で海軍主計中尉として南洋のトラック島で敗戦を迎え捕虜生活を送った金子さんは、戦後日本銀行に勤めながら俳人としての道を歩んだ。当然ながら多くの死に接したに違いない。だから、平和と命の大切さを強く思い続けたのだろう。 ...続きを見る

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2018/02/22 22:12
1628 五輪を巡る友情物語 誇張されたストーリー
1628 五輪を巡る友情物語 誇張されたストーリー  スポーツ大会の頂点ともいえるのがオリンピックだ。出場した選手たちは互いに技を競い、優劣を争う。それがメダルへとつながる。だから、選手にとって戦う相手はライバル(競争相手や好敵手)だ。韓国の平昌冬季五輪で金メダルを獲得した2人の日本人選手に関する友情物語がメディアを賑わしている。そのニュースを見ながら、学校の教科書に載っていた五輪を巡る友情物語を思い出した。 ...続きを見る

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2018/02/20 12:33
1627 銀メダリストの光と影 2人の名選手を思う
1627 銀メダリストの光と影 2人の名選手を思う  第23回平昌冬季五輪で、これを書いている16日午前現在、日本選手はこれまで金メダルは獲得していない。しかし銀4、銅3という活躍を見せている。スキー複合ノーマルヒルの渡部暁斗とスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢は2大会連続して銀メダルを獲得した、女子スケート1500メートルの高木美帆と1000メートルの小平奈緒の2人も銀メダルだった。この4人の銀メダルに対し称賛の声と、金を逃した惜しむ声が半ばした。銀メダリストは光と影を併せ持つ存在のようだ。 ...続きを見る

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2018/02/16 13:07
1626 歴史への旅 天平の傑作「葛井寺・千手観音坐像」を見る
1626 歴史への旅 天平の傑作「葛井寺・千手観音坐像」を見る  人は仏像を見ながら、何を思うのだろう。2月14日から東京国立博物館平成館で始まった「仁和寺と御室派のみほとけ ――天平と真言密教の名宝――」特別展を見た。特別展には、天平時代に当時の唐(中国)から伝わった今では珍しい「脱乾漆造」の千手観音が展示されていた。そういえば奈良・唐招提寺を創建した鑑真和上は天平期に苦難の末、日本にやってきた唐の高僧で、唐招提寺の本尊盧遮那仏坐像もやはり脱乾漆造である。2つの仏像は何らかの縁があるのだろうか。私は遥か昔に仏像づくりに励んだ人たちを思い、また3・11の犠牲... ...続きを見る

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2018/02/15 19:38
1625 旅行は教育と経験の一部 スペインで2重のスリに遭遇した友人
1625 旅行は教育と経験の一部 スペインで2重のスリに遭遇した友人  このブログでは度々ベーコンの『随想録』を引用している。今回もその中から借用する。「旅行は若い人達にあっては教育の一部であり、年輩者にあっては経験の一部である」(18「旅行について」より)。この言葉のどちらにも当てはまる経験を友人が最近、スペイン旅行で味わってしまったという。友人は「人生最悪の旅」だったというが、確かにその通りだと思う。    友人は、友だちと2人で年末年始にスペイン旅行に出かけた。カタルーニャ地方の大都市バルセロナを拠点に観光を楽しむ旅だった。途中で友だちが帰国し、友人は見... ...続きを見る

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2018/02/12 15:18
1624 遠のく核なき世界 Tはterrible(不愉快、恐ろしい、ひどい)か
1624 遠のく核なき世界 Tはterrible(不愉快、恐ろしい、ひどい)か  米国の第33代大統領、ハリー・トルーマン(1884-1972)は、前職のフランクリン・ルーズベルトの急死によって1945年4月12日、副大統領から昇格したため、「偶然による大統領」とも呼ばれた。この年の8月、米軍が広島、長崎への原爆投下という、人類に対し初めて核攻撃を実施した時の大統領である。同じアルファベットのTで始まる第45代大統領のドナルド・トランプ氏がオバマ前政権が目指した「核なき世界」の理想を撤回し、核の運用を拡大すると発表した。民主党(トルーマン)と共和党(トランプ)の違いこそある... ...続きを見る

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2018/02/05 17:04
1623 絶望の淵に立たされても 2つのエピソード
1623 絶望の淵に立たされても 2つのエピソード  若い友人が書いた中編小説を読んだ。必要に迫られて書いたという作品を読んで、以前に見た小さな展覧会の絵を思い出した。それは、小児がんの子どもたちの絵画展だった。あれからもう10年になる。それは私にとって「命とは何か」を考えるきっかけとなる重要な時間だったのだ。 ...続きを見る

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2018/02/04 21:35
1622 東京一日散歩 横山大観と田原総一朗と……
1622 東京一日散歩 横山大観と田原総一朗と……  先日、久しぶりに東京を歩いた。昨年9月のけが以来、長時間東京を歩いたのは初めてだった。手術をした右足は、駅やビルの階段の上り下りで、ややもたついた。これもリハビリのうちと思い、なるべく階段を使った。帰宅後、万歩計を見ると、1万5000歩を超えていた。 ...続きを見る

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2018/02/02 15:02
1621 村上春樹が受賞できない背景は ノーベル賞の問題点を洗い出した本
1621 村上春樹が受賞できない背景は ノーベル賞の問題点を洗い出した本  2017年のノーベル文学賞は、予想外の日系英国人作家カズオ・イシグロだった。このところ毎年のように日本のメディアで受賞するかどうかで話題になる村上春樹は今回も受賞はかなわなかった。なぜだろう。ノーベル賞取材にかかわった共同通信社ロンドン支局の記者たちによる『ノーベル賞の舞台裏』(ちくま新書)を読んだ。そこには村上ファンを失望させる背景が記されていた。 ...続きを見る

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2018/01/30 15:27
1620 だれもが人類という大きな木の一部 ルーツについて
1620 だれもが人類という大きな木の一部 ルーツについて 「ルーツ」という言葉が一般化したのは、アフリカ系アメリカ人であるアレックス・ヘイリー(1921−1992)の同名の小説がベストセラーになり、これを原作にしたテレビドラマが大ヒットしたことが挙げられる。「根、根元、大本」のことで、「さかのぼれる限りの、その人(民族など)の祖先(の発祥の地)」(三省堂・新明解国語辞典第7版)を意味する。以前、自分のルーツを調べることが流行った時期があったが、現在はあまり聞かなくなった。 ...続きを見る

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2018/01/27 14:34
1619 雪についての断章 私の体は首都圏仕様に 
1619 雪についての断章 私の体は首都圏仕様に   子どものころから雪景色は見慣れているはずだった。だが、久しぶりにかなりの雪が降り、一面が白銀の世界になると、やはり家から外に出てしまうのだ。それは放浪の俳人、種田山頭火の「雪をよろこぶ児らにふる雪うつくしき」の心境といっていい。朝、家族に「足元に気をつけて」と注意を受け、長靴で外を歩いた。 ...続きを見る

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2018/01/23 16:26
1618 境界領域を超えて 作家に見る飛躍の時
1618 境界領域を超えて 作家に見る飛躍の時  最近、「境界領域」という言葉を聞いたり、文章に使われているのを見ることがある。「専門化した学問分野の2つ以上にまたがる領域」のことをいうが、人生での曲がり角にも使われる。人それぞれに境界領域の時期があり、それを抜け出し飛躍した人もいれば、抜け出せないままもがき続ける人もいるのだという。 ...続きを見る

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2018/01/22 15:45
1617 地の下では春の支度が…… 角界は厳寒期
1617 地の下では春の支度が…… 角界は厳寒期  きょうまでは「小寒」で、明日20日から「大寒」。1年で最も寒い時期である。天気予報では22日には寒波が来て、大雪が降るかもしれないという。そんな厳寒期でも、花壇ではパンジー、ビオラ、水仙、クリスマスローズたちが気を吐いている。この季節が過ぎると、光の春が次第に近づいてくるのだ。それにしても、昨今話題なのは角界が厳寒期にあることだ。白鵬に続き稀勢の里まで休場し、日馬富士の不祥事による引退騒動が尾を引いているのだ。 ...続きを見る

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2018/01/19 15:23
1616 知は力かあるいは…… ワインは「試食」のブラックユーモア?
1616 知は力かあるいは…… ワインは「試食」のブラックユーモア? 「知(知識)は力なり」という考え方を広めたのはイングランドの哲学者、フランシス・ベーコン(1561-1626)だった。これに対し2世紀後、ドイツの哲学者ショーペン・ハウエル(1788 - 1860)は「『知は力なり』。とんでもない。きわめて多くの知識を身につけていても、少しも力を持っていない人もあるし、逆に、なけなしの知識しかなくても、最高の威力をふるう人もある」と述べている。最近、物議を醸した2人の人物の言葉で、著名な哲学者の格言を反芻した。 ...続きを見る

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2018/01/14 11:23
1615 毎朝聴く名曲 美しい言葉とメロディー
1615 毎朝聴く名曲 美しい言葉とメロディー  朝6時半からのNHKラジオ体操は、第1と第2がある。第1の前には軽い運動、第2が始まる前には首の運動があり、それぞれに懐かしい曲のピアノ伴奏がついている。今朝の首の運動の際には「埴生の宿」が流れていた。竹山道雄の名作『ビルマの竪琴』にも出てくる美しいメロディーだ。それにしても現代ではほとんど使われない言葉である「埴生の宿」とは、どんな意味なのだろう。 ...続きを見る

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2018/01/10 11:57
1614「焼き場に立つ」少年の写真 ローマ法王「戦争の結果」
1614「焼き場に立つ」少年の写真 ローマ法王「戦争の結果」  カトリックのローマ法王庁がフランシスコ法王の指示で、教会関係者に対し、1945年に原爆投下直後の長崎で撮影された少年の写真入りカードを配布したという記事が今日の新聞各紙に掲載(共同通信記事と写真参照)された。「これが戦争の結果」(あるいは結末)などという見出しだった。ただ、大きな扱いではないので見過ごすところだった。核なき世界を訴えている法王の強いメッセージからは、写真の歴史的使命、訴える力の大きさを感じさせる。  以前、この写真について調べ、一文を書いた。少し長いが概略を掲載する。 ...続きを見る

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2018/01/03 20:00

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