テーマ:

1935 季節外れマロニエの緑葉 人生至宝の植物に異変

  ラジオ体操をやっている広場に約20本のマロニエ(セイヨウトチノキ)がある。ほとんどの木が葉を落としつつあるのに、なぜか1本だけ青々と葉が茂っている。桜の花が季節外れに咲いたなどという話は聞いたり、実際に見たりすることがあるが、季節外れにマロニエの葉が茂るのを見たのは初めてだ。気候変動の影響だろうか。今年は植物も戸惑う年といえるようだ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1833 東京は優しくない街 弱者の扱いで分かる文化レベル

 大阪に住む友人が東京で電車を利用した体験を、自身のフェースブックに記している。来年、東京でオリンピックとパラリンピックが開催される。マラソン、競歩が札幌で実施されることに決まったことで大騒ぎしているが、東京の障害者対策が遅れていることを友人は厳しく指摘している。私は2年前右足に大けがをした。当時、友人と同じ思いを抱いたことが忘れられな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1829 本を繰り返し読むこと ヘッセ『郷愁』とともに

 高橋健二訳・ヘルマン・ヘッセの『郷愁』(新潮文庫)は、まさしく名著である。アルプスの高山に囲まれ、美しい湖水風景が広がるスイス山間部の小さな村に生まれ、成長するペーター・カーメンチントという主人公の自己形成史ともいえる、透明感にあふれる作品を再読した。自然の抒情的描写と自己考察で進行する作品は、初めて読んだ昔とは異なる感慨を与えてくれ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1826 ラグビーは小説 サッカーはノンフィクションという比喩

「たとえていうなら、小説はラグビーで、ノンフィクションはサッカーということになろうか」新聞記者出身の故ノンフィクション作家、本田靖晴は『複眼で見よ』(河出文庫)というジャーナリズム・メディア論をテーマにした本の中で、小説とノンフィクションの違いについてこう表現した。日本で開催されているラグビーのワールドカップで日本チームはベスト8まで勝…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1822 400勝達成の裏で 金田に贈る川上の言葉

 プロ野球で大選手(大打者)にして大監督といえば、川上哲治と野村克也の2人だろう。6日に86歳で亡くなった金田正一は、前人未到といわれる400勝を達成し日本では最高の投手といえる。ロッテを率い日本一も経験したが、監督の力量としては川上と野村には及ばない。金田は選手としての晩年巨人に移り、川上の指揮下に入った。その時、管理野球を実践してい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1821 多くは虚言なりか 闇深き原発マネーの還流 

 吉田兼好の『徒然草』第73段に「世に語り伝ふること、まことにあいなきにや、多くはみな虚言(そらごと)なり」という言葉ある。国文学者の武田友宏は角川ソフィヤ文庫の『徒然草』で、この段を「『うそ』の分析」と題し解説を加えている。関西電力高浜原発がある福井県高浜町の元助役から関電幹部らが3億2000万円の金品を受け取っていた問題で2日午後、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1817「わが亡き後に洪水よ来たれ」 虎の威を借る狐とヒトラー

「わが亡き後に洪水よ来たれ」という言葉について、23日付けの朝日新聞・天声人語は「人間の無責任さを示す言葉」として紹介している。原文はフランス語で「「Après moi, le déluge」で、「後は野となれ山となれ」と訳されることもあるそうだ。いずれにしても、負のイメージが強い言葉である。増え続ける財政赤字。それでも大盤振る舞いを続…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1810 心に残る木 9月、涼風を待ちながら

 知人の古屋裕子さんが日本気象協会のホームページ「tenki.jp」で、季節にまつわるコラムを担当している。直近は「さあ9月、『秋』への予感を感じるために!」と題し、「木」に関する話題を取り上げている。(「誰でも持っている心に残る木」「大木はやすらぎと信仰の場所」「木は生活に欠かすことのできない潤い」)分かりやすい言葉で書かれた古屋さん…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1809「おりた記者」から作家になった井上靖 適材適所のおかしさ

 このブログで時々言葉について書いてきた。今回は「常套(じょうとう)語」である。「套」は内閣告示の常用漢字表にないことから、報道各社の用語集(たとえば共同通信記者ハンドブック)では、これを「決まり文句」に言い換えることになっている。しかし、ここでは決まり文句ではなく常套語の方を使うことにする)今回は、大臣人事などでよく聞かれる「適材適所…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1808 文明風刺『ガリバー旅行記』 邪悪な生物ヤフーは現代も

『ガリバー旅行記』(作者はイギリスのジョナサン・スウィフト)のガリバーは、日本を訪れたことがあるか? 答えは「イエス」である。イギリス文学に造詣の深い人なら常識でも、児童文学でこの本を読んだ人は、「へえ、そうなのか」と思うだろう。ガリバーが旅行した時代は1700年代の初め、日本は徳川家支配の江戸幕府の元禄時代に当たる。イギリスに住むスウ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1807 戻らぬ父の遺骨と労苦の母 俳句と小説に見る戦争

 8月16日のブログ「1804 政治の身勝手さ感じる8月 民意との乖離のあいさつ」の中で「戦没者の遺骨収集問題に触れた安倍首相の挨拶はうわべだけの誠意にしか聞こえなかった」と書いた。25日付朝日新聞の俳壇に「父の骨なほジャングルに敗戦忌」という句が載っていた。終戦から74年が過ぎても戦争の傷跡が消えないことを、この句は物語っている。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1797 時間に洗われ鮮明になった疎開体験 「カボチャとゼンマイえくぼ」のこと

 改元で平成から令和になり、昭和は遠くなりつつある。多くの国民が未曽有の犠牲を強いられた戦争が終わって74年になる。時代の変化、世代の交代によって戦争体験も確実に風化している。しかし、当事者にとって歳月が過ぎても決して忘れることができないものがある。最近、知人が書いた少年時代の疎開体験記を読んだ。そこには、戦争がもたらした悲しみの日常が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1793 日本は言葉の改まりやすい国  中日球団の「お前」騒動と日本

 プロ野球、中日の攻撃の際に歌われる応援ソングの中に「お前が打たなきゃ誰が打つ」という言葉があるそうだ。この「お前」という部分に与田監督が「選手がかわいそうだ」と違和感を示し、応援団がこの歌を使うのを自粛したというニュースが話題になっている。お前は「御前」のことであり、かつては「神仏や貴人の前」など、敬称として使われた。しかし、現代…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1792 新聞記者とは 映画と本から考える

 かつて新聞記者は若者の憧れの職業の一つだった。だが、最近そうした話は聞かない。背景にはインターネットの発達や若者の活字離れなどがあり、新聞自体が難しい時代に直面していることを示している結果なのだろう。そんな時、『新聞記者』という題名に惹かれて、一本の映画を見た。つい最近まで、新聞紙上をにぎわした森友学園・加計学園疑惑を彷彿させるよ…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

1790 マロニエ広場にて 一枚の絵にゴッホを想う

  近所にマロニエ(セイヨウトチノキ)に囲まれた広場がある。その数は約20本。広場の中心には円型の花壇があり、毎朝花壇を囲むように多くの人が集まってラジオ体操をやっている。私もその1人である。既にマロニエの花は終わり、緑の葉が私たちを包み込んでいるように見える。体操仲間の1人がこの風景を絵に描いた。色とりどりの花が咲く花壇の後ろに4…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1787 愉快な戦争はほかにないと子規 激しい日本語の野球用語 

「実際の戦争は危険多くして損失夥し ベース、ボール程愉快にてみちたる戦争は他になかるべし」。正岡子規は元気だった学生時代のころ野球に熱中し、随筆「筆まかせ」に、こんなふうに記した。子規が愉快な戦争と書いた野球だが、日本語の野球用語には解説者が「何とかならないかと思う」というほどの激しい言葉が使われている。  翻訳された野球用語の激…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1780 権威に弱い民族性 トランプ氏の相撲観戦計画

 ドナルド・トランプ米大統領(72)が26日の大相撲夏場所千秋楽(東京・両国国技館)を観戦するという。土俵近くの升席に椅子を置いて座るというのだが、伝統を守るという名目で保守的な相撲協会も、米国のトップには異例の待遇といえる。トランプ氏の相撲観戦へというニュースを見ていて、太平洋戦争敗戦後、占領軍(GHQ)総司令官マッカーサーと総司令部…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1779 桑の実は名物そばよりうまい 自然の活力感じる季節

 自然を愛好する人にとって、忙しく楽しい季節である。山歩きが趣味の山形の友人からは珍しいタケノコ「ネマガリダケ(月山筍)」が送られてきて、彼の山歩き姿を思い浮かべながら、旬の味を堪能した。自然の活力を最も感じる季節、病と闘いながら旺盛な食欲を発揮し続けた正岡子規の随筆を読み、庭の一隅の桑の実を観察した。もう少しでこの実も熟れ始める。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1777 小説『俺だけを愛していると言ってくれ』 一時代を駆け抜けた男への挽歌

 言うまでもなく、人生は出会いと別れの繰り返しである。長い人生の旅を続けていると、邂逅の喜び、悲しみに鈍感になる。とはいえ、誰もが「別れ」は使いたくない言葉のはずだ。友人が書いた中編小説『俺だけを愛していると言ってくれ』(菅野ゆきえ著・文芸社)を読んだ。充実した人生を送ってきたはずの夫が難病に侵され、妻を苦しめる。壮絶な病気との闘いをメ…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

1776 ほてんど餅って知ってますか 柏餅のことです

 きょうは「こどもの日」で、端午の節句である。ラジオ体操で一緒になった人と柏餅のことを話していたら、「私の方では柏の葉ではなく、『ほてんど』の葉を使うので『ほてんど餅』というんですよ」と教えてくれた。中国地方出身というこの人は、帰り道この植物を教えてくれた。それは「サルトリイバラ」という全国に分布する植物で、山口県では「ほてんど」と呼ば…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

1774 4月28日は何の日か 沖縄問題素通りの日米首脳会談

 10連休2日目の4月28日は、サンフランシスコ平和条約(対日講和条約)が発効した日だ。第2次世界大戦後、米国を中心とする連合国に占領されていた日本が各国との間でサンフランシスコで平和条約を調印したのは1951年9月8日で、この条約は翌52年4月28日に発効した。67年前のことである。これにより連合国による占領が終わり、日本は主権を回復…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1769 時代を映す鏡 水上勉の社会派推理小説再読

 水上勉の社会派推理小説といわれる一連の作品を集中して再読した。作品名を順番に挙げると『霧と影』『巣の絵』『海の牙』『爪』『耳』『死の流域』『火の笛』『飢餓海峡』(いずれも朝日新聞社発行の「水上勉社会派傑作選」より)である。いずれも、戦後の社会風俗を色濃く反映した作品だ。犯罪は時代を映す鏡だといわれる。そのことを意識しながら、これらの作…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1762 無頼の人がまた消えた 頑固記者の時代は遠く

 私がこの人に初めて会ったのは、ホテルオークラと米国大使館側の裏玄関からエレベーターに乗った時だった。共同通信社はかつて赤坂にあった(現在は汐留)。7月。この人は白系統のサマースーツ姿で、まぶしいばかりだった。東京の人は気障だなと思った。名前は知らないが、少し崩れた雰囲気から社会部の人だと直感し、あいさつした。「今度仙台から転勤してきま…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1757 知的好奇心あふれる人たちとの出会い なぜ本を読むのか

 人はなぜ本を読むのか。それぞれに考え方はあるだろう。ルネサンス期の哲学者、ベーコンの考えは一つの見識でもある。それは時代が変わっても共感できる部分が少なくない。スマートフォンの時代となり、読書人口は減っているといわれる。だが、やはり読書は人生にとって欠かせない重みを持つ。  ベーコンは読書に関して、『ベーコン随想集』「50 学問…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1755 まさか、まさかの時代 トランプ大統領ノーベル平和賞推薦

 米国のトランプ大統領が、北朝鮮問題で安倍首相からノーベル平和賞に推薦されたことを明らかにした。問題の多いトランプ氏をなぜ平和賞に推薦するのか、どうして? と、首をひねった。だが、トランプ氏は「あのオバマがもらったのだから、私ももらって当然」と思っているのかもしれない。トランプ氏が大統領に当選したこと自体、米国のメディアが予想もしなかっ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1754 若者の未来奪った五輪の重圧 円谷幸吉の自死から51年

 東京五輪のマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉が自殺をしたのは1968(昭和43)年1月9日のことである。27年の短い生涯だった。あれから51年の歳月が流れている。円谷の自殺に関しては当時から、次のメキシコ五輪で金メダルをという重圧を受ける中での腰の故障による不調、指導を受けていた自衛隊体育学校のコーチの左遷、結婚の破談が重なったこと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1752『メロディに咲いた花たち』 人々に愛される四季の花と歌の本

 花をテーマにした歌は少なくない。四季折々の花を歌ったメロディは心を和ませてくれる。そうした花の歌を集めた『メロディに咲いた花たち』(三和書籍)という本が、このほど出版された。この本には歌の紹介に合わせてさまざまな花の写真も掲載されている。この頁の写真、「アザミ」(本では平仮名)の花は以前の私のブログに載せたものを提供したものだ。それに…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

1750 厳寒の朝の話題 ジャーナリズムの原点

 今朝の最低気温は氷点下1度で、この冬の最低を記録した。寒い地方の人から見れば、千葉はその程度なのといわれるかもしれないが、やはり体にこたえる。毎朝、近所の広場で続いている6時半からのラジオ体操の参加者は、真夏だと約40人いる。それなのに今朝は9人しかいなかった。  朝6時に家を出て、近くの遊歩道を歩いている。春から秋まではこの時…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

1749 本土作家が描いた苦闘する沖縄の姿 真藤順丈『宝島』を読む

 沖縄には「ナンクルナイサ」(どうにかなる、何とかなるから大丈夫)という言葉がある。だが、この本を読んで、言葉の響きは軽くてもその意味は重いのではないかと考えた。それほどに本土に住む私でも胸が苦しくなるほど、沖縄は米軍と日本政府に苦しめられたことが理解できるからだ。それに抗った若者を描いたのが直木賞を受賞したこの作品である。賞の選考委員…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

1739 一筋の道を歩んだ運慶 史実とフィクションを考える

 奈良東大寺は盧舎那仏(奈良の大仏)だけでなく、南大門の金剛力士立像(向かって左が阿形=あぎょう、右が吽形=うんぎょう)もよく知られている。この二王像は運慶・快慶(運慶の兄弟子)らによる鎌倉彫刻の傑作といわれる。梓澤要(本名・永田道子)の『荒仏師運慶』(新潮文庫)には、この二王像制作過程だけでなく、仏師として一筋の道を歩んだ運慶の生涯が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more