テーマ:音楽

1801 カザルスとピカソ 「鳥の歌」を聴く

 CDでチェロ奏者、パブロ・カザルス(1876~1973)の「鳥の歌」を聴いた。「言葉は戦争をもたらす。音楽のみが世界の人々の心を一つにし、平和をもたらす」と語ったカザルスは、1971年10月24日の国連の日に国連本部でこの曲を演奏した。カザルスは当時94歳という高齢で、演奏を前に短いあいさつをした。それは後世に残る言葉になった。 …
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1789 雨の日に聴く音楽 アジサイ寺を訪ねる

 きょうは朝から雨が降っていて湿度は高い。ただ、午後になっても気温は約21度と肌寒いくらいだ。それにしても梅雨空はうっとうしい。CDでショパンの「雨だれ」(前奏曲15番 変ニ長調)をかけてみたら、気分がさらに重苦しくなった。仕方なく別のCDをかけ直した。モーツァルトだ。ショパンには悪いが、雨の日もやはりモーツァルトだと思う。 「雨…
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1715 くろがねの秋の風鈴 瀟殺(しょうさつ)とした音色を聞く

 作家の故藤沢周平は、人口に膾炙(かいしゃ)する=世の人々の評判になって知れ渡ること=俳句の一つとして飯田蛇笏(1885~1962)の句を挙げている。「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」である。夏が終わり、秋になっても軒に吊るしたままの鉄の風鈴が風に吹かれて鳴っている。夏の風鈴よりも深みがある音は、秋の訪れを感じさせる―というような意味だろ…
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1690 台風一過の午後のひととき プレーヤーに入れたCDはあの曲

 台風一過、暑さが戻ってきた。こんな時にはCDを聴いて少しでも暑さを忘れたいと思う。プレーヤーに入れたのは、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」(ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団)だった。実は昨日、友人が演奏者として参加したコンサートでこの曲を聴く予定だった。しかし台風が接近したのに加え急用ができてしまい、出かけることを断…
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1668 被災地に流れる交響曲 自然との共生願って

 仙台の友人がアマチュアオーケストラで、ベートーベン(ベートヴェンとも表記)の交響曲6番「田園」を演奏したという。この曲は多くの人が知っていて、かつては同名の名曲喫茶店もあった。そのポピュラー性が嫌われるのだろうか、クラシック専門家の評価はそう高くない。だが、友人のブログを読んで久しぶりにCD(カラヤン指揮ベルリンフィル)を聴いてみると…
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1649 病床で見たゴッホの原色の風景 友人の骨髄移植体験記

 若い友人が「急性リンパ性白血病」を克服した体験記を書きました。この文章の中にはいくつかの「物語」が凝縮されています。私は心を打たれ、泣きました。かつてこのブログで、小児がんのため幼くしてこの世を去った石川福美ちゃんのことを取り上げたことがあります。元気だったなら18歳になっていたはずの福美ちゃんのことを思い出しながら、闘病記を読みまし…
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1644 音楽の文章化に挑む 須賀しのぶ『革命前夜』

 若い友人が大学の卒業研究として、音楽をテーマにした小説に取り組んだ。当初、担当の教官は「それは音楽に対する冒とくだ」という趣旨のことを話し、友人の構想に疑問を呈したという。しかし、熱心に取り組む姿勢に打たれたのか、途中からそうした言葉は消え作品は完成した。教官の意図は「音楽を文章にするのは非常に難しく、壁が高いから考え直した方がいい」…
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1623 絶望の淵に立たされても 2つのエピソード

 若い友人が書いた中編小説を読んだ。必要に迫られて書いたという作品を読んで、以前に見た小さな展覧会の絵を思い出した。それは、小児がんの子どもたちの絵画展だった。あれからもう10年になる。それは私にとって「命とは何か」を考えるきっかけとなる重要な時間だったのだ。  友人の小説は音楽を通しての兄と弟の祈りと希望をテーマにしている。白血…
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1615 毎朝聴く名曲 美しい言葉とメロディー

 朝6時半からのNHKラジオ体操は、第1と第2がある。第1の前には軽い運動、第2が始まる前には首の運動があり、それぞれに懐かしい曲のピアノ伴奏がついている。今朝の首の運動の際には「埴生の宿」が流れていた。竹山道雄の名作『ビルマの竪琴』にも出てくる美しいメロディーだ。それにしても現代ではほとんど使われない言葉である「埴生の宿」とは、どんな…
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1610 ある小さな音楽交流会 クリスマスイブの名盤鑑賞

 音楽の世界には老若男女の差別はない。クラシックが好きなひともいれば、ポピュラー音楽を聴くのを楽しみにしている人もいる。幅広い音楽の世界を味わおうと、レコードを中心に音楽鑑賞をしているグループがあり、私も初めて参加した。24日午後のひと時である。この日は、クリスマスイブ。参加者はクリスマス特集の名盤に聞き入った。  千葉県市原…
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1559 こだまするホトトギスの初音 ウグイス・キジとの競演

 朝、いつもより早く6時前に調整池を回る遊歩道を歩いていたら、ホトトギス(時鳥)とウグイス、キジが次々に鳴いているのが聞こえた。まさに野鳥のさえずりの協演だ。3種類の鳥が同時に鳴くなら三重奏(トリオ)という表現もできる。しかし、鳥たちは律義に(私の勝手な感想)交代で鳴いている。さえずりのリレーを聴きながら歩くのも、この季節ならではのぜい…
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1543 豊穣な音楽の世界 恩田陸著『蜜蜂と遠雷』を読む

 ピアノコンクールをテーマにした作品として思い浮かべるのは『チャイコフスキーコンクール ピアニストが聴く現代』(中央公論社)である。ピアニストの中村紘子(21016年7月26日に死去)がこのコンクールの審査員を務めた体験から、コンクールの舞台裏を紹介した作品で、1989(平成元)年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。それから長い歳月…
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1531 音楽は希望の使い 市民オーケストラの映画「オケ老人」

 「オケ老人」という題名に惹かれて映画を見た。老人が中心の市民オーケストラを、杏演ずる高校の数学教師が指揮するストーリーだ。杏の指揮ぶりが真に迫り、オーケストラのメンバー役の俳優はベテラン(笹野高史、左とん平、小松政夫、石倉三郎、藤田弓子、茅島成美ら)をそろえ、映画の面白さを引き立てている。  現在、全国に幾つこうした市民オーケス…
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1453 3・11から5年 モーツァルトのレクイエム「涙の日」

「罪ある人 裁きを受けるために 塵より蘇える日 それは涙の日」 『レクイエム』(死者のためのミサ曲)の第7曲「ラクリモサ」の第8小節でモーツァルトの筆は途絶えた。それから間もない1791年12月5日未明、かつて神童といわれた音楽家は35歳という若さでこの世を去った。その後、弟子のジュースマイアーによって補筆完成した曲は、モーツァルトの「…
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1451 「理想の音を求めて」 ピアノ調律師を描いた『羊と鋼の森』『調律師』

ピアノの調律師を描いた2冊の本を読んだ。宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)と熊谷達也『調律師』(文春文庫)である。調律に魅せられた山育ちの青年(宮下著)と妻を交通事故で失った元ピアニストの調律師(熊谷著)が、それぞれの理想の音を求める物語だ。2冊を読み終え、ピアノ曲のCDを聴いている。この美しい演奏の陰に、調律師という専門分野の人たちが…
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1426 風景との対話 冬の空を見上げて

朝焼を見た。俳句歳時記(角川学芸出版)で調べてみると、夏の季語の天文の項にあって「日の出間際の東の空が赤く染まる現象で、夏に多い。俗に朝焼の日は天気が下り坂になるといわれる」という説明が付いている。それにしても、空気が乾いたこの季節(冬)の朝焼は見事であり、道行く人も「きれいですね」と声をかけてきた。 昼の時間が一番短い冬至は…
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1368 釣鐘草と精霊の踊り 私的音楽の聴き方

道端に蛍袋(ホタルブクロ)の花が咲いている。歳時記には釣鐘草、提灯花、風鈴草ともと出ており、同じキキョウ科なのだ。ホタルブクロの花は下を向き、釣鐘草の花は上を向いて咲くらしい。 釣鐘草といえば、小学校で習った『スコットランドの釣鐘草(つりがねそう)(The Blue Bells of Scotland)という曲を思い浮かべる人もい…
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1356 福美ちゃんへ 《悲しみを経て》

街路樹の中で特に存在感があるのはけやきである。いまの季節はけやきの緑の葉が目に優しく、その緑に見守られるようにして子どもたちが陽光の中を歩いている。その姿を見て、ふと「福美ちゃん」のことを思った。私は福美ちゃんとは面識がない。だが、福美ちゃんは私の心の中で大きな位置を占め続けている。子どもたちの姿を見て深層心理が働き、福美ちゃんのことを…
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1353 二足のわらじの芸術家たち 多彩な才能に畏敬

手近にあったCDをかけると、ロシアのアレクサンドル・ボロディン(1833~87)の「ノクターン~弦楽4重奏曲第2番ニ長調第3楽章」が流れてきた。ボロディンといえば作曲家のほかに化学者の顔を持ち、二足のわらじを履き続けた人である。多方面に才能を発揮した人物と言えば、イタリア・ルネッサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)が…
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1207 最後に輝きが ソチ五輪閉幕・歴史に残る羽生、葛西、浅田3選手

ソチ五輪が閉幕する。ソチと日本の時差は5時間だが、現地時間午後10時に決勝が始まる競技もあり、多くの人が寝不足になったのではないか。欧米のテレビのゴールデンタイムに合わせるため遅い時間に競技のスタートを組んだというから、五輪の商業主義が進んでいるのは間違いない。それはさておき今回の五輪で話題になった日本選手の3人を挙げると、フィギュアの…
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1205 もう一人のレジェンド いまも現役・長野五輪のテストジャンパー

ソチ五輪の男子ジャンプ、個人ラージヒルで41歳の葛西紀明選手が銀メダルに輝いた。この年齢でスキーの第一線を続け、しかも世界のトップの位置を占めているのは驚異としか言いようがない。だれが名付けたのかは知らないが「レジェンド=伝説」という言葉はよく似合うと思う。葛西選手の活躍をテレビで見ながら、一人のジャンパーのことが家族の間で話題にな…
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1200 真贋入り混じった現代社会 別人が作曲した希望のシンフォニー

芸術作品の真贋問題でよく知られているのは古陶器の永仁の壺事件(1960年)だ。鎌倉時代の古瀬戸の傑作として国の重要文化財に指定された永仁二年の銘があった瓶子(へいし・壺の一種)が、実は陶芸家加藤唐九郎の現代作であることが発覚し、大騒動になった。この騒動があっても、制作に没頭した加藤の陶芸家としての名声は下がることはなく、逆に高まった…
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1124 望郷の思いで聞く名曲 友人のシャンソンコンサートにて

 美しい故郷をすてて若者は都会に出ていく。そして長い年月が過ぎる。でも故郷の山はいまも美しい……。シャンソン「ふるさとの山」はこんな曲だ。6月29日夜、東京・神楽坂のライブホール・TheGLEEで開かれた友人のシャンソン歌手・斉藤信之さんのコンサート。ピアノの弾き語りで斉藤さんが最初に歌ったのが「ふるさとの山」という曲だった。途中から、…
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1105 ミニコンポの修理で知った現実 使い捨て時代を実感

ある国内メーカーのミニコンポを使っている。2006年8月に購入したもので、使い出して間もなく7年なる。最近、CDを入れても音が出なくなったので修理を頼んだ。 すると、やってきたメーカーの担当者は、「読み取り装置が壊れたので、交換する必要がある。修理代は1万以上かかります。いまは1万円以上出せばミニコンポが買える時代なので考えた方が…
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892 心に沁みる「IF WE HOLD ON TOGETHER」 何気なく聴いたCDの一曲

アメリカの黒人女性歌手、ダイアナ・ロスのCDを何気なくかけ、何気なく聴いた。全部で13曲が入っているCDの12曲目に一番好きな歌があった。「IF WE HOLD ON TOGETHER 」(ウィル・ジェンキンス作詞、ジェームズ・ホーナ作曲)だ。「力を合わせて困難に立ち向かえば」という訳がついている。 いつの時代でもこの世界には苦悩…
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863 音楽とともに歩んだ記者人生 アマチュアオーケストラは楽しい・松舘忠樹著

音楽の楽しみ方は人それぞれだと思う。この本(仙台市・笹気出版)の著者である松舘さんは、社会部記者を中心に長い間、報道機関のNHKで忙しい生活を送った。そんな生活の中でも松舘さんはヴァイオリニストとしてのもう一つの顔を持ち、クラシック音楽を楽しんだ。頁をめくりながらこんな人生もあるのだと、いまさらながらに松舘さんの歩みを知ってうれしく…
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799 FMから聞こえる澄明な音楽 忘れていたラジオ

ふだんラジオは聞かないが、東日本大震災以来枕元にはラジオが置いてある。東京電力が計画停電するというので、ラジオが大事だと思ったからだ。電池もあまり減っていないのか問題なく聞こえる。 震災から間もなく1カ月。FM放送にダイヤルを合わせると、モーツァルトのピアノ協奏曲20番が流れてきた。4月とはいえまだ寒い東北の避難先でも、ラ…
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631 壊れたCDプレーヤー ものづくりへの哲学

最近CDプレーヤーの調子がおかしくなった。まだ購入して3年半しかたっていないのに、CDによって音が飛んだり、全く音が出なくなったりする。中にはごくまれに普通に音が出るものもある。 CDプレーヤーは小さなレンズからレーザー光をあてて情報を読み取る仕組みで、レンズがホコリなどで汚れてしまうと、情報を取り込めずに、音飛びやサーチが出…
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572 ポプラのように 09年旅の終わりに

先日、「傘の自由化は可能か」という、大崎善生の一風変わったエッセー集を読みながら、九州の西端、枕崎から鹿児島中央まで約2時間45分、JR指宿枕崎線のロ-カル列車の旅をした。 大崎は日本将棋連盟発行の将棋雑誌の編集者を経て作家になった。札幌出身で、実家の隣の家にはことし亡くなった作家の原田康子(名作、挽歌の作者)が住んでいたという。…
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509 歌の風景 少年時代の風あざみ

秋到来を感じる8月の末日だ。先日、井上陽水を取り上げたテレビ番組を見た。その中で「少年時代」という歌が代表作の一つだと井上自身も語っていた。その詩の中に、実在しない植物が書かれているのを知った。 「風あざみ」だ。この歌は「夏が過ぎ 風あざみ だれの憧れにさまよう 青空に残された 私の心は夏もよう」とある。秋を感じさせる詩の中に登場…
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