テーマ:ニュース

1865 マロニエとクスノキの対話 困難な時代だからこそ

 3月もきょうで終わり。木々も芽吹き始める季節である。私が体操広場と呼ぶ広場にあるマロニエ(トチノキ)も少しずつ葉を出しつつある。葉の出し方は個体差があり、新緑が美しい木もあれば、まだ全く芽吹きのない木もある。明日から4月、広場は急速に緑に包まれる。そう、4月は「生命力」を感じる季節なのだ。2年前のブログでキンモクセイとけやきの架空対談…

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1860 東日本大震災から9年 被災地訪問記再掲

 きょうで東日本大震災から9年になる。9年という歳月は日本社会に様々な変化をもたらした。大震災のあと私が初めて被災地に入ったのは岩手県だった。以下に当時、別の媒体に書いた訪問記を再掲する。(政治は民主党から自民党政権に代わり、第2次安倍政権は現在も続く長期政権になった。 今、日本だけでなく世界では新型コロナウイルスとの闘いに目が向けられ…

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1857 不条理の春がきた コロナウイルス蔓延の時代に

 ドイツの文豪、ゲーテ(1749~1832)は、人が年をとることについて様々な言葉を残している。最近のコロナウイルス問題に関して、高齢者による無分別な行動のニュースを見たり読んだりしていると、自戒を込めてゲーテの言葉の意味を考えてしまう。以下はゲーテの年老いることを含んだ言葉である。  年をとることにも一つの取り柄はあるはずです。…

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1856 美しき星空の下で 原民喜の詩とコロナ

 コロナウイルスが猛威を振るい出している中、ある会合に参加した。夕方から夜に続いた会合が終わり、自宅最寄りのJRの駅に着き、とぼとぼと歩き出した。しばらくしてやや疲れを感じ立ち止まった。ふと雲がない空を見上げると、星々がきらめいていた。今、日本を含め国際社会はコロナウイルスとの闘いに明け暮れている。空の星たちに言葉があったら「地球は悪戦…

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1854 結末は奇想天外の悲喜劇 社会風刺の映画「パラサイト」

「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)という韓国映画がアカデミー作品賞を受賞した。日本でこの言葉が使われるようになったのは、就職氷河期が続いた1990年代後半のことだ。辞書には「寄生生物・他人の収入に頼って生活している人を俗にいう語」(広辞苑)とある。世界的に格差社会(貧富の差)が顕著になっているから、この言葉は世界共通のもの…

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1852 ヒーロー日替わり時代 幕尻力士優勝の珍事

 NHKがテレビとラジオで生中継するスポーツは、現在では大相撲くらいしかない。それほど大相撲は国民的人気スポーツの位置を占め続けているのかどうか、私にはよく分からない。大相撲初場所で幕内番付の一番下位である前頭西17枚目(いわゆる幕尻)の徳勝龍が休場した横綱を除いて最上位の東大関、貴景勝を結びの一番で下して優勝した。徳勝龍の活躍は評…

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1850 人類登場時代のチバニアン 地質年代に日本名認定

   国際地質科学連合は17日、千葉県市原市にある約77万4000~12万9000年前の地質時代を「チバニアン」(千葉時代)と呼ぶことを決めたという。地質年代に日本の地名が付くのは初めてのことである。ここまで至るには一部学者による反対行動などの紆余曲折があったが、「チバニアン」は世界的な地質名として認知されたことになる。私は4年近…

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1845 情報漏洩の当事者は同じ鈴木姓 特権利用の呪うべき行為

 総務省の鈴木茂樹事務次官が、かんぽ生命保険問題を巡る行政処分の検討状況を日本郵政の鈴木康雄上級副社長に漏洩したことが発覚、懲戒処分(停職3カ月)を受け辞職した。本来なら懲戒免職に当たり、役所の感覚の鈍さを露呈した処分といえる。偶然だが、この問題の当事者は「鈴木」姓の人物で、同じ鈴木姓の人たちにとって、苦々しいニュースに違いない。 …

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1840 続「語るに落ちる」人権意識欠如 「桜を見る会」名簿廃棄の首相答弁

 昨年6月、このブログで「語るに落ちる」という言葉(ことわざ)を使い、政治家の言動について書いたことがある。残念ながら、その後もこのことわざ通りの動きが政治の世界では続いている。連日、ニュースで取り上げられている「首相と桜を見る会」に関する安倍首相・菅官房長官の言い訳(質問に対する答弁というより、この言葉の方が適切だ)もこの範疇に入る。…

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1831 日本メディアとイングランドチームに喝 ラグビーW杯余聞

 日本開催で盛り上がったラグビーのワールドカップ(W杯)。2日に横浜国際総合競技場で行われた決勝で南アフリカがイングランドを32-12で下し、3大会ぶり3度目の優勝を飾った。その表彰式でイングランドチームが取った行動に批判が集まっている。海外メディアが報じたことで問題が大きくなったが、これに気が付かなかったのか、ロンドン発でカバーすると…

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1824 国籍と政治性排除のはずが ノーベル賞お祝い報道に?

 今年のノーベル化学賞に、スマートフォンや電気自動車に使われるリチウムイオン電池を開発した吉野彰さん(71)ら3人に贈られることが決まった。何よりのことである。吉野さんの受賞で日本のノーベル賞受賞は27人目になるという。しかし、アレフレッド・ノーベルは、この賞創設に関する遺言の中で「賞を与えるに当たっては、候補の国籍が考慮されてはならな…

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1821 多くは虚言なりか 闇深き原発マネーの還流 

 吉田兼好の『徒然草』第73段に「世に語り伝ふること、まことにあいなきにや、多くはみな虚言(そらごと)なり」という言葉ある。国文学者の武田友宏は角川ソフィヤ文庫の『徒然草』で、この段を「『うそ』の分析」と題し解説を加えている。関西電力高浜原発がある福井県高浜町の元助役から関電幹部らが3億2000万円の金品を受け取っていた問題で2日午後、…

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1819 おいおい! 関西電力よ  理不尽・不正義まかり通る時代

「おいおい、どうなっているの?」と言いたいほどの、驚いたニュース。関西電力会長、社長ら20人に原発立地の福井県高浜町の元助役から3億2000万円分の金品が渡されていた。逆の場合ならありそうなことだが、こうした資金還流もあるのだからびっくりだ。金沢国税局の税務調査で明らかになった前代未聞の原発マネーの還流。関西の人々はどう受け止めるのだろ…

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1818 地球温暖化に背を向ける大人への警鐘 グレタさんの訴え

 16歳の少女の訴えを全世界の大人はどう受け止めたのだろうか。23日にニューヨークの国連本部で開かれた気候行動サミット。一番注目を集めたのは16歳の少女、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの大人への怒りを込めたスピーチだった。地球温暖化に背を向ける政治家・大人が数多く存在する中で、グレタさんの訴えが空振りにならないことを願う…

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1816 正義の実践とは 東電旧幹部の無罪判決に思う

 机の後ろの本棚に『ことばの贈物』(岩波文庫)という薄い本がある。新聞記事やテレビのニュースを見ながら、時々この本を取り出して頁をめくる。そのニュースに当てはまる言葉ないかどうかを考えるからだ。福島第一原発事故をめぐる東電旧経営陣3人に無罪を言い渡した東京地裁の判決を読んで、米国の政治家でベンジャミン・フランクリン(1705~1790)…

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1813 天災と人災「小径を行く」14年目に

   台風15号によって私の住む千葉県は甚大な被害を受けた。中でも大規模停電は、昨年北海道地震で起きた「ブラックアウト」の再現かと思わせた。東京電力によると、全面復旧にはまだかなりの時間を要するという。これほど深刻な災害が起きているのに、なぜかこの日本はのんびりとしている。新聞やテレビを見て私はため息をつくばかりだ。  被害が深…

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1806 ハチドリの助けを呼ぶ声 アマゾンの森林火災広がる

 南米ブラジルでアマゾンの熱帯雨林が燃え続けているという。森林火災により今年だけでも鹿児島、宮崎を除く九州と同じ面積(1万8629平方キロ)が焼けてしまい、熱帯雨林が危機になっている。アマゾン地域には「ハチドリのひとしずく」という言い伝えがあるが、ハチドリたちは今、孤軍奮闘しているに違いない。  ハチドリは南北アメリカ大陸と西イン…

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1802 グッドニュースとバッドニュース 昨今の話題から

 昨今、新聞やテレビのニュースになるのは暗い話題がほとんどである。輸出管理の優遇措置を認める「ホワイト国」から韓国を除外したことをめぐる日韓の対立、愛知県での「表現の不自由展」の開催直後の中止、アメリカの相次ぐ銃乱射事件、北朝鮮による飛翔体(短距離ミサイル)発射……など、バッドニュースが占めている。そんな中で、女子ゴルフの全英オープンで…

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1796 京都の放火殺人・あまりの惨さに慄然 人の命はかくもはかないのか

 34人が死亡し、34人が重軽傷を負った京都アニメーションに対する放火殺人事件は、日本の犯罪史上、稀に見る凶悪事件と言っていい。放火容疑者は病院に収容されているが、回復して動機の解明ができるのだろうか。放火による多数の犠牲者というニュースに、1980(昭和55)年8月19日夜、新宿駅西口で定期バスが放火され6人が死亡、22人が重軽傷を負…

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1794 新聞と誤報について ハンセン病家族訴訟・政府が控訴断念

 朝の新聞を見ていたら、「ハンセン病家族訴訟控訴へ」という記事が一面トップに出ていた。朝日新聞だ。ところが、朝のNHKや民放のニュース、共同通信の記事は「控訴断念の方針固める」と正反対になっている。どちらかが誤報なのだろうと思っていたら、安倍首相が会見し「控訴断念」を発表したから、朝日の記事は誤報だった。それにしてもこのような正反対の裁…

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1793 日本は言葉の改まりやすい国  中日球団の「お前」騒動と日本

 プロ野球、中日の攻撃の際に歌われる応援ソングの中に「お前が打たなきゃ誰が打つ」という言葉があるそうだ。この「お前」という部分に与田監督が「選手がかわいそうだ」と違和感を示し、応援団がこの歌を使うのを自粛したというニュースが話題になっている。お前は「御前」のことであり、かつては「神仏や貴人の前」など、敬称として使われた。しかし、現代…

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1782 絶対ではない人間の目 相次ぐ誤審の落とし穴

 ゴルフのように審判がいない競技もあるが、スポーツ界で審判は重要な役割を持っている。審判の判断に勝敗の行方が大きくかかわることが多く、「誤審」が話題になることも少なくない。人間の目は確かなようで間違いもあるため、最近はビデオ判定も珍しくない。サッカーのJリーグの誤審に続いて、大相撲でも夏場所13日目の栃ノ心と朝乃山戦で日本相撲協会に抗議…

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1781「政治とは距離を置く」 仏地方紙の気骨を羨む

 フランスのマクロン大統領が複数の地方紙のインタビューに応じた際、大統領府が記事を掲載する前に見せるよう求めていたことが明らかになった。記事の事前検閲といえる。反発した一部の地方紙はインタビューに加わらなかったという。「政治とは距離を置く」というのが理由だ。当然のことだ。昨今、日本の報道機関にはこうした報道機関の基本姿勢を忘れた幹部が存…

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1780 権威に弱い民族性 トランプ氏の相撲観戦計画

 ドナルド・トランプ米大統領(72)が26日の大相撲夏場所千秋楽(東京・両国国技館)を観戦するという。土俵近くの升席に椅子を置いて座るというのだが、伝統を守るという名目で保守的な相撲協会も、米国のトップには異例の待遇といえる。トランプ氏の相撲観戦へというニュースを見ていて、太平洋戦争敗戦後、占領軍(GHQ)総司令官マッカーサーと総司令部…

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1778「はるかクナシリに」 国会議員の「戦争発言」と酒の二面性

 「知床旅情」という歌を知っている人は多いだろう。作詞作曲した森繁久彌さんや加藤登紀子さんが歌い、私も好きな曲である。この歌の一番の詞の最後は「はるかクナシリに 白夜は明ける」となっている。「クナシリ」は北方領土(四島)のうちの国後島のことである。つい先日、国後島へのビザなし交流訪問団に参加していた丸山穂高という衆院議員が飲酒後、訪問団…

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1770 新札デザイン・2千円・守礼の門は 司馬遼太郎の沖縄への思い

 2024年度から紙幣(1万円、5千円、千円)のデザインが変更になると政府が発表した。唯一、2千円は変わらない。普段、私はお札のデザインを気にしていないが、かつて1万円については「聖徳太子」という別称があったことを記憶している。表紙の聖徳太子がそれだけなじんでいたのだ。現在の1万円の顔は福沢諭吉であり、今度は渋沢栄一になるという。「しぶ…

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1763 世界はどこへ行くのか NZクライストチャーチの凶行

 ニュージーランド(NZ)南島最大の都市で「ガーデンシティ」と呼ばれるほど美しいクライストチャーチで、信じられない事件が起きた。2つのイスラム教モスク(礼拝所)でオーストラリア人の男が銃を乱射し、50人が死亡した。世界でも有数の安全な国といわれるNZでさえ、こうしたテロが起きる時代。世界はおかしな方向へと突き進んでいると思わざるを得ない…

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1760 言葉が泣いている 検討から真摯へ

 昨今、政治家の常套(じょうとう)語として使われるのは「真摯」だ。以前から国会で使われている常套語の代表ともいえる「検討」という言葉の影が薄くなったほどである。本来「まじめでひたむきなこと」という意味の真摯が、いい加減な言葉として使われているようで残念でならない。折角の言葉も使われ方次第で、品位を失ってしまう典型といっていい。  …

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1753 天に通じる肉親の言葉 池江選手の白血病公表

「人事を尽くして天命を待つ」というよく知られた言葉がある。「人としてできる限りのことをして、その結果は天の意思に任せるということ」(大修館書店・明鏡国語辞典)という意味だ。中国南宋時代の政治家で儒学者、胡寅(こいん)が記した『読史管見』にある「人事を尽くして天命に聴(まか)す」が出典といわれる。水泳の池江璃花子選手が白血病であることを公…

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1747 苦しい経験を生きる糧に 引退の稀勢の里へ

 大相撲の横綱稀勢の里が引退した。横綱在位12場所、15日間を皆勤したのはわずか2場所という短命な横綱だった。記録面から見ると、不本意な力士生活の頂点だったといえる。だが、なぜか気になる存在だった。それは相撲ファンに共通する見方だったかもしれない。  2017年春場所で左胸などに大けがをしながら出場し、奇跡の優勝といわれた。しかし…

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