1989 1本の花の物語 幻の「海棠の歌」

 庭に1本だけある海棠の花が満開になった。昨年よりかなり早い。歳時記の本の説明には「4~5月に薄紅色の花をつけた花柄が長くうつむきかげんになるのをしばしば美女にたとえる」(角川学芸出版『俳句歳時記』)とあり、庭の一角が華やかに見える。題名や歌詞に花を取り入れた歌は数多く、かつて海棠も歌になったことがある。この歌をめぐって悲しいエピソードがあった。それは一本の花の物語といえる。   

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