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zoom RSS 1653 坂の街首里にて(3) 沖縄の人情

<<   作成日時 : 2018/05/06 22:39   >>

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 首里から少し遠出して、島全体が聖地といわれる久高島(くだかじま)を歩いたあと、同じ南城市の小さなぜんざい店に立ち寄った。そこには4人の先客がいた。最高齢の人は83歳だというが、褐色の肌をした年齢を感じさせない男性だった。親分肌のこの人は去り際さりげなく格好のいい姿を見せ、私たちを驚かせた。

 久高島は、南城市の安座真(あざま)港から高速船で約20分で到着する。そこには徳仁(なるひと)港という、皇太子の名前を付けた港があった。島全体が聖地と言われる通り、美しさと神秘さが漂っている。かつて岡本太郎が踏み入れてしまったという、男子禁制のクボー御嶽(うたき、風葬の地)は立入禁止になっていた。島の統一小中学校の前を通ると、校庭わきの木陰で女子生徒が学校で飼っているというヤギにえさの桑の葉を食べさせていた。児童生徒数は小学校が10数人(彼女は中学生なので小学生のことは正確には分からないとのことだった)、中学校は10人の学校だという。

 自転車を借りて島全体を回る。約2時間で島巡りは終わる。それほどに小さい島なのだ。浜辺に行き、海に入ると、冷たくて長い時間は無理だった。沖縄の5月の海はまだ海水浴には適さないだろう。増便の臨時船に乗り、南城市の世界遺産、斎場御嶽(せーふぁうたき)に向かう途中に立ち寄ったのが「いいやんべぇ」というぜんざい(かき氷)の店だった。沖縄ではぜんざいは名物の一つだそうだ。この店のぜんざいは大きな器にかき氷が盛ってあり、その上に金時豆がたっぷり乗っているだけでなく、きなこ、ミルク、抹茶入りもある。かき氷を食べ終えると中から、白玉粉が出てくる。

 私たちがこの店に入ると、四角いテーブルを囲んで4人(男性3人、女性1人)の先客がいた。「どこからきたの」と質問され、話しているうちに4人グループの1人は83歳だといい、米軍基地で長い間電気工事関係の仕事をしていたことを話してくれた。顔の艶はよく、年齢よりかなり若く見える。彼は私たちより先に店に出たが、「ここは私が」と言って、私たち5人分の料金まで支払ってくれた。驚いた私たちはただただ、礼をするばかりだった。店の人は、「あの人は気に入った人はだれでもごちそうするの。若い女性のグループには、よくごちそうしていますよ。気にしないで」と教えてくれた。

「人情紙の如し」と言われる現代。しかし、旅をしていると土地の人の善意に出会うことが少なくない。そんな時、人生は巡り会いなのだと実感する。(続く)


 
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1、久高島の徳仁港
2、南城市のぜんざい店
3、世界遺産、斎場御嶽

45 西ノ京で受けた善意 偶然の出会いも

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