1584 咲き続ける朝顔 季語は秋でも夏の風物詩

画像 小学校1年生の孫娘から預かった鉢植えの朝顔が咲き続けている。わが家にやってきてから111個、実際に咲き始めてからちょうど150個になる。この先どれほどの花が咲くのだろう。俳句歳時記によると、朝顔は夏の季語ではなく秋の季語だ。「朝顔市」をはじめとして、朝顔にちなんだ行事は夏の風物詩ともいえるのもので、季節感とはややずれがある。旧暦の二十四節季を基にしているためだが、季語は別にして、朝顔は日本の夏を象徴する花といえる。

 朝顔は、小学生には植物の観察の対象として最適なのだろう。全国の多くの小学校で毎年夏、鉢植えの朝顔を育てていると聞く。孫娘が通う小学校もその1校で、1年生全員が種から育てた4本の朝顔の鉢に花が咲くのを楽しみに、毎日水やりを続け、夏休み直前には自分の名前が入った鉢を自宅に持ち帰った。休みの期間、水をやるなど手入れをして花がいくつ咲くかを観察するのが宿題の一つという。しかし、孫娘は夏休みの大半を、沖縄に単身赴任している父親のところで母親と一緒に過ごしているため、朝顔の世話をできない。

 そのお鉢が暇な私に回ってきて、水やりと花(大輪の青と赤紫、小ぶりな青の3種)の数を記録するのが日課になった。毎日電話で連絡し、孫娘はそれを自分のノートに記録するのだ。こうして累計が150個になったというわけである。担任の教師は「ちゃんと手入れをすれば200個は咲くでしょう」と言ったそうだ。多い朝は10個以上、少ない日でも1個は咲くので、教師の言っていることは誇大ではなさそうだ。現在、全国の庭やベランダで、小学生が自宅に持ち帰った朝顔が咲き続けているだろう。孫娘のものがこれだけ咲いたのだから、全国では天文学的数字になるのは間違いないだろう。

 朝顔は熱帯アジア原産のヒルガオ科の1年生つる草で、奈良時代に遣唐使が中国から薬用として種子を持ち帰った。観賞用に栽培されたのは鎌倉時代以降で、江戸時代から広く普及したという。千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館の植物苑では、夏休み期間中朝顔の観察会を開催中だ。100系統、約700鉢が展示されており、朝顔の歴史を知ることができる。品種改良によって朝顔の品種は増えている。しかし、孫娘たちの学校では毎年種を取って保存しているから、伝統の朝顔が受け継がれ、子どもたちと向き合うはずである。

 朝顔の紺のかなたの月日かな 石田波郷

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