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zoom RSS 1568 視覚障害者の希望とは 映画「光」が示す先は

<<   作成日時 : 2017/06/03 22:25   >>

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 光を失うということは、どのような恐怖なのかは経験者にしか分からない。新潟の知人もその一人である。映画「光」を見て、知人の苦しみを考えた。どら焼きづくりに、ささやかな希望を見つけたハンセン病回復者を描いた「あん」に続く、河瀬直美監督の作品だ。視覚障害者用の映画の音声ガイドづくりが進む中で、視力を失っていく写真家の姿を追った映画のストーリーに知人が重なった。

 知人は、元写真家だった。事情があって障害者の自立を支援するNPOを運営し、新潟市内の耕作放棄地を借りて障害者とともにオリーブ栽培をしていた。だが、最近視野狭窄の病気が進行して視覚障害者となり、NPOの運営は息子に任せた。知人が経験したことの一部はこのブログでも紹介している。

 映画「光」は、次第に視力を失う病気に侵された将来を嘱望された写真家中森雅哉(永瀬正敏)と、視覚障害者用映画の音声ガイドの説明文づくりを担当する尾崎美佐子(水崎綾女)の2人の交流をを中心に進んでいく。衝突しながらも次第にひかれている2人の関係をドキュメンタリー手法で撮影しているのも、映画に現実味を与えている。

 視覚障害者や聴覚障害者向けの映画をバリアフリー映画というそうだ。このうち視覚障害者用が、FM電波を使って音声ガイドを場内に配信し、映画の音声と同時にラジオで場面解説を流す音声ガイド付映画である。2チャンネルの音声が使われ、チャンネル1は会場内のスピーカーから主音声(せりふや音楽など)が流れ、チャンネル2からは主音声と副音声(状況説明やト書き)が流れ、コードレスヘッドホンで聴くことができる仕組みだという。

 私たちが日常、何気なく見ている光景を分かりやすく説明するのは実は簡単なことではない。視覚障害者に理解してもらうには何が必要かを、ヒロインである美佐子が中森を通じて体得していく。そして、希望の象徴ともいえる「光」という言葉がどのような意味を持つのか考えさせられるラストになっている。館内では映画が終わり、ライトが点灯するまでだれも席を立たなかった。それだけ余韻がある映画といえよう。

1548 ある障害者の体験 電車内は文化レベルの尺度

1423 苦難の中での発想 新潟のオリーブ栽培

1229 雪に負けず育つオリーブ 新潟で障害者の自立を支援

1371 映画「あん」・社会の片隅で ハンセン病回復者の生き方

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
遠〜い昔見た、映画の「奇跡の人」を思い出しました。
美夢林
2017/06/08 14:14
考えさせられる映画でした。映像的には「あん」の方がよかったと思います。
遊歩
2017/06/11 14:14

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